
スーダン東部エチオピア国境のあるガダーレフ州という地域で巡回診療を行っています。ハルツームから青ナイル川沿いを200キロほど南下し、それから東へ進路を変え、さらに300キロほど行ったところにガダーレフ州の州都のガダーレフがあります。州都から未舗装路を60キロほど行ったところにガランナハルという村があり、そこを拠点に村々を巡回しています。それらの地域には、診療所はなく、薬局さえもありません。村の人々は病気になると徒歩やロバに乗り診療所のあるところまで長時間かけてやってきます。
そういった状況の中、ガランナハルを拠点にして、巡回診療を行っています。ガダーレフの診療所には、スーダン人医師、看護師が常勤しており、入院施設も整っています。ロシナンテスとガランナハル診療所が提携して診療体制を作っています。
時に重症患者が発生すれば、その村からガランナハルまで連れ帰り、入院させています。ガランナハル診療所で手に負えないときは、高次機能のあるガダーレフ教育病院まで運ぶようにしていますが、まだ十分に機能していないのが現状です。貧しい患者の高次病院での支援不足、車両の不足、医療スタッフの不足など諸問題のためです。
横浜市から提供された医薬品をこれら巡回診療に用いています。この医薬品は、災害備蓄用に横浜市で保管されていたものですが、備蓄医薬品を新しいものに買い換えるために使用期限を残して廃棄処分にされる運命にあったものです。この医薬品をもらいうけ、ロシナンテスが日本からスーダンまでの航空運賃を負担し、さらにスーダン保健省での日本の医薬品の使用許可をもらい、現場で日本の医薬品を使用しています。
スーダンの地方に行くと、カルテが存在しません。カルテを管理することが不可能であり、医師がノートに誰を診たと走り書きする程度です。このノートは医師個人で所有しますので、患者の診療歴は残りません。また、多くの人は誕生日が不明です。スーダン人のパスポートには1月1日生まれが多いのはそのためです。
ロシナンテスでは、日本にある母子手帳をアラビア語に訳しました。これを用いて、妊産婦記録、出生証明、そして子供が診察を受けたときの診療録にもなればと思っています。アラビア語版母子手帳の発行を巡って、スーダンの医療関係者と協議を重ねている段階です。