
ガダーレフ州保健大臣から依頼されて無医村であるシェリフ・ハサバッラという村の診療所の立ち上げを行っています。ここは、ガダーレフからカッサラに向かって幹線道路を90キロほど行き、そこから5キロほどのオフロードをいった場所にあります。近くにアトバラ川が流れ、エリトリア国境まで車で1時間です。
ラハウィーンという部族が住んでおり、この部族はイエメンとスーダン東部に主に居住しています。元は遊牧民だったようですが、40から50年前くらいからこの地に定着し、農業、牧畜業を生業としています。
他のスーダンの人々と若干ですが文化を異にするところがあり、そのことが州政府から医療サービスの提供の遅れにつながっている(砕けて言えば、スーダン人医療従事者はこの地区に行きたがらない)状態です。
診療所は、新年早々に建設されたもので、たいそう立派なのですが、「仏作って、魂入れず」の状態で、全くといって良いほど活用されていませんでした。この村に医療従事者は、一人いますが、資格は保健士の助手でしかなく、村人からの信頼も厚いものではありませんでした。
そのような状況の中、現在スーダンにいらしている矢野先生と二人で乗り込んでいきました。
診療所の建物は立派ではありますが、電気がなく、水もドラム缶にあるだけです。
中はベッド、机、椅子がひとつあるのみです。村人に協力してもらい、ベッド、椅子などを取り寄せてもらいました。医薬品は、ガダーレフ州から購入、ユニセフが州に供与したもの、横浜市から提供してもらったものを用いています。
疾患は、圧倒的にマラリアが多く、重症例もあります。数十キロ先にショワックという9万人規模のエリトリア難民キャンプのある町があり、そこには、入院施設のある地方中核病院があります。そこと連携しながら、重症例の搬送などを行っています。
マラリアの診断に関しては、J’s foundationからの協力を受けまして、マラリア迅速診断キットを用いています。マラリア治療薬は、グローバルファンドから提供された薬を用いています。
診療所の電気、水が通ってない問題に関して、ロシナンテスで発電機、ポンプを設置し、水を井戸からパイプを埋設して診療所に持って行き、屋上にタンクを設置しました。これで、夜間診療も可能になりましたし、ドラム缶水よりきれいな水の提供を行うことができました。
今はまだ、医薬品の購入などロシナンテスの負担で行っていますが、徐々に診療所の運営ですべて賄えるように努力していたいと思っています。
この村で、お世話をしてくれているのが、村長さんというより酋長であるハサンです。彼は、私より3つほど年上です。顔つきは一見怖いのですが、矢野先生にちょっかいをかけてみたりとチャーミングな面も見せます。私とは兄弟のようにしています。彼の協力で、彼の家の敷地内にグッティーヤと呼ばれる小屋を建てました。ここを事務所兼住居にして活動をしています。日本からの訪問者も多いため、別の小屋も建設予定です。極めてシンプルで、機能美を備えており、私はとても気に入っています。
このような活動ができますのも、皆様方からの支援があるからです。本当に感謝いたしております。