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国際NGO / NPO法人 ロシナンテス

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スーダン情報


スーダンは、北アフリカに位置するアフリカ大陸最大の面積をもつ国です。

スーダン情報

交流事業 活動報告

近藤 剛史 2010年3月

スーダン滞在レポート

 今回のスーダン滞在は自らの誤解を解くものとなった。
「スーダンに行く」と周囲の人に告げるとふたつの反応が返ってきた。ひとつは、なぜそんな危ないところへ行くのか、止めたほうがいいのではないかという反応。もうひとつはスーダンってどこ?という反応。確かにスーダンと言って思い浮かぶのは、内戦が長く続いている、大統領に逮捕状が出ているといったことであり、しかもちょうどこの時期は大統領選挙前であり、インターネット等を調べても安全と言えるような情報はほとんど見当たらなかった。これまで何度も海外に行っておりある程度慣れているつもりではあったが、さすがに今回ばかりは辞めておいた方がよいのではないか、と思ったこともあった。しかし、実際に来て自らの目で見たスーダンは想像していたものとは180度違った。夜道を歩いていても危険を感じず、市場で買い物をしても外国人の私から一切ぼったくろうとしない。アフリカの首都の中でハルツームが一番安全だという話を聞いたが、なるほどそうかもしれない。頭から危険な国だと決めつけ、誤解していたことをスーダンの人々に謝りたい。
 また、日本での報道の影響か、イスラム教は危険・怖いというイメージを多少なりとも持っていた。テレビや新聞でイスラム教が取り上げられるのは大抵、アフガニスタン・イラク情勢、そしてテロ事件のときだけだ。しかし実際は、街を歩けば見ず知らずの私に手をふって挨拶してくれる人々。初対面の私を家にまで招き入れてお茶をふるまい、くつろいでいってくれと自分のベッドまで明け渡してくれる人々。東京ではありえない光景だ。10日間の滞在中4度も結婚式に出席させていただいた。見たこともない外国人が結婚式会場に現れたら日本ではどうなるだろうか。最初は驚いたが、もしかするとこれがあるべき姿ではないかと思えてきた。そして偏った報道に毒されていた自分が恥ずかしくなった。むしろお互い挨拶も交わすことなく皆黙ったままじっと乗っているエレベーターの方がよっぽど驚くべき光景かもしれない。私自身もアパートの隣に誰が住んでいるかも知らないし、隣の家の住人と話したことすらない。難しいことはわからないが、挨拶はおそらくどの言語にもあってどの民族でも交わされている、人間にとって普遍的、根本的なものものだろう。それすらできなくなってきている私は、日本は大丈夫なのだろうか。海外に出るとその国のことはもちろんだが却って日本のことが見えてくることがよくある。今回は正にその例であった。
 もうひとつ、誤解していたことがある。今回の学生見学を、川原医師の診療活動を後ろから見学するだけのようなものであると思っていた。しかし実際はそうではなかった。そもそも川原さんが診療そのものを行うことはあまりないという。診療所での医療活動はスーダン人スタッフにまかせ、その管理・運営面をサポートしている。今回の10日間の滞在中、私が診療所にいた時間は合計しても1、2時間くらいしかなかった。むしろ、私たち学生がスーダン国内を移動するための許可証を取得するために関係機関をまわったり、州知事のもとへ弔問に行きつつ母子保健事業の合意文書にサインをもらいに行ったり、村人の葬式に出席したりと医療行為とは直接関係のないことばかりであった。このようなことを書くと、なぜ川原さん自らが診療しないのだ、という批判があるかもしれない。しかし、事業に継続性を持たせるため、そして人を育てるためにこのようにされているのだと私は理解した。自ら診療するというのもそれはそれで素晴らしいことだが、それだけでは川原さんがいなくなったとき、その診療所の機能は停止する。そうならないよう、スーダン人スタッフを教育し自分たちだけで診療できるようにし、将来的には運営からすべて任せられるようにしようということなのだろう。人を育てる、という意味では私たち学生も大いに育てていただいた。ただの傍観者でなくいろいろなことにチャレンジさせていただいた。そもそも我々学生がスーダンに来るためにはビザを取得しなければならないがこの手続きだけでも恐ろしく煩雑だ。さらに10日もの間、私たち4名がお邪魔虫のようにくっついてきて、その分大変な労力を割かねばならない。ただでさえ多忙な中、ロシナンテスにとってデメリットこそあれひとつもメリットがないようにも思える。それでも「学生は将来があるから」と言って、笑って受け入れてくださった。感謝しても感謝し尽くせない。
 今回の滞在では誤解が解けるとともに、自分の認識の甘さ、想像力の弱さを感じさせられた。医学や開発分野に関して大いに勉強不足であると痛感した。スーダンの医学生は本当によく勉強してた。また、スーダンのためにとがんばっている何人もの日本人、スーダン人に出会うことができ大変刺激を受けた。来てよかったと心から思う。最後に、スーダンに渡航・滞在するにあたり、ロシナンテスの皆さま、ハサバラの村人をはじめスーダンの皆さまには大変お世話になりました。本当にありがとうございました。そして私をスーダンに導いてくれた全てのことに感謝したい。シュクラン ジャズィーラン。

2010.3.16 ハルツーム事務所にて
近藤剛史

更新日時: 2010年04月16日