母子保健事業 活動報告
■2010年9月-11月の活動報告
10月より診療所の助産師体制を2名にしました。1名はガダーレフの街から1時間かけて来る経験豊かな助産師、もう1名はハサバラの隣町でお産をとりあげる地元の村落助産師さんです。この2人が勤務することで、地域に根付いた村落助産師が、経験豊かな助産師のもとで能力を向上させることができ、将来的にもこの村の母子保健サービスをより強化させることにつながります。
2人体制になったことで、件数が増えてきた妊婦健診・分娩に備えられるようになり、産前・産後の自宅訪問にも力を入れることが出来るようになりました。11月からは、ついに母親学級・集団健診プログラムがスタートしています。
■第1回母親学級(ハサバラ診療所)の実施
11月の後半に母親学級を開催しました。参加者には検査費の無料化という特典をつけたことで、18人の妊婦さんと32人のお母さんが母親学級に集まってくれました。
それ以外にも、時間を見つけては、診療所の助産師と共に伝統的産婆さんの自宅を訪れ、妊娠や分娩に関する情報交換をしたり、一緒に自宅訪問を行っています。ある伝統的産婆さんはとても助産師に協力的で、ある日、5人も妊婦さんを引き連れて診療所にやってきてくれました。こういったかたちで、診療所の助産師が把握しきれない情報を、昔ながらの伝統的産婆さんを頼りに協力体制がつくっていければと思っています。
■診療所助産師による産前・産後検診の実施 (2010年9-11月中)
妊婦健診件数:97件
診療所助産師による分娩介助件数:7件
訪問による産後健診(新生児・産褥婦健診)件数:20件
■コミュニティの反応
10月、ハサバラ村の有力者の妻が診療所助産師の分娩介助により女の子を出産しました。夫婦で診療所の助産師介助による分娩の利点を近所の人に話してくれてとても良い宣伝になります。村の文化の一つですが、有識者が実行に移すと、その周りの人にも影響が及びます。
そ の他にも、ワッダルハディという村からやってきた妊婦とその家族がいましたが、同村からは初めて診療所でお産をとったケースとなりました。家族が診療所で のサービスや経験に関するうわさを、近所の人に広めてくれて、それをききつけた他の家族も診療所に分娩にやってきてくれました。こういった地道な活動が、 一つ一つ実を結んでいっていることを実感します。
■ハサバラ地域の母子保健にまつわる女性調査、全世帯を対象とした衛生・人口世帯調査の分析
調査結果をほぼ集計し終えました。現在考察段階です。とても興味深い情報が得られました。HPで情報をアップできるまで、今しばらくお待ちください。
■乳幼児ワクチン接種システムの確立に向けて
診療所のワクチン接種システム導入に向けて、診療所の倉庫であった部屋を掃除し、ワクチンルームをつくりました。冷蔵庫も壊れていたのですが、修繕され、あとはワクチン接種の実施者と薬の到着を待つばかりです。
■診療所運営管理に係る業務内容・システムの向上
妊 婦さんのカルテ管理を導入しました。これまでは妊婦健診後、その記録を全く診療所に残していなかったのですが、ロシナンテス独自につくったカルテを、妊婦 さん一人一人につくることにしました。そのカルテ管理により、日本のように妊娠の週数を重ねるごとに経過を追って診察できるようにしました。
**今後**
現在、北九州から嶋井助産師さんをスーダンに招聘しており、ハサバラ診療所の助産師の分娩介助や妊婦健診、母親学級へのアドバイスなどを頂いております。
また、州保健省内で「日本の母子保健の歴史と現状の理解」「今後のプロジェクトの展開に関する意見交換」「調査結果の共有」を目的に、ワークショップを企画しています。


