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国際NGO / NPO法人 ロシナンテス

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スーダン情報


スーダンは、北アフリカに位置するアフリカ大陸最大の面積をもつ国です。

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母子保健事業 活動報告

2010年12月-2011年3月の活動報告

201012-20113月の活動報告】

 慌ただしく過ぎた12-2月、その分多くの成果も残し、来年度に向けて大きく前進した3カ月となりました。

2月の終わりごろにはガダーレフ州保健省のリプロダクティブヘルス部(母子保健部門を統括している部署)の上層部、助産師学校の校長がハサバラ村の診療所評 価の為にやってきました。妊婦健診の方法、妊婦健診・分娩室の整理、フォローアップのためのカルテ管理、州保健省への月間報告、月間別分娩介助件数グラフ (診療所の壁に分娩件数が一目でわかるようにポスター設置)に関して、「管理が良く行き届いている」「この状態を維持できるように頑張ってほしい」と感心 して帰って下さいました。

また、診療所への妊婦健診数が着実に上昇し、1月には1ヵ月で60件を超えました。これは、母子保健プロジェクト開始時と比べても、約3倍に増えており、妊婦健診に対する妊婦・村人の意識向上が認められ、助産師による継続的なフォローが定着化した一つの証だと言えます。

 

【日本より助産師嶋井氏をスーダンに招聘】

 助産分野での専門知識とスキルに基づく事業の実施を目的に、助産師として豊かな経験と専門能力を有する社団法人福岡県助産師会北九州地区理事であり、ガルヴァ助産院院長である嶋井元子氏をスーダンに招聘しました。同氏には、20101127日から1226日 の1ヶ 月間にわたり滞在していただき、現場の母子保健サービスの実際と村の妊産婦や乳幼児の健康問題の現状の分析とともに、今後の母子保健事業の企画に対 する具体的アドバイスをいただきました。家族に囲まれ自宅で村落助産師(村の女性で一定期間の研修を受けた助産師資格を取得した者)による分娩の現状は、 自宅分娩が定着していた戦後の日本と重ねることができ、「施設分娩」と「自宅分娩」の両者の利点と課題について、スーダン政府関係者間で議論するきっかけ となりました。また、読み書きができない村落助産師の実地研修にあたり、彼女たちの現有能力を活かした実地研修のあり方についても貴重な助言を受ける機会 となりました。

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【州保健省とのワークショップ開催】

2010年に12月に州政府とのワークショップを実現しました。

ワークショップの内容は、

・ガダーレフ州保健省より「スーダン、ガダーレフ州における母子保健の現状」

・助産師嶋井氏による「日本の母子保健の変遷と北九州市の母子保健サービス」

・芹沢とガダーレフ大学医学部長による「2010年の女性調査(100人のサンプル調査)

・全世帯調査の結果発表」

・辰野による「ハサバラ村における母子保健活動報告と今後の展開」です。

州保健省のリプロダクティブヘルス部門、プライマリーヘルス部門、栄養部門、HIV部門の各関係者以外にも、母子保健専門病院、他NGOからも多くの参加があり、各テーマに応じて質疑応答・協議など、とても実りあるワークショップとなりました。

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【第2回母親学級(マンスーラ診療所)の実施】

 11月に実施した第1回母親学級に続き、12月にも隣村のマンスーラ診療所で母親学級を開催しました。なんと、105人(うち33人が妊婦さん)もの女性が参加してくれました。診療所は満員となり、近くの小学校から多めに用意した椅子も足りなくなり、立ち見をしてもらった人もいます。私たちも、こんなに多くの人たちが駆け付けてくれるとは思いもせず、人が多すぎたので、急遽学級を3回に分けて実施しました。

 スタッフの斎藤が作成した紙芝居(新生児や産後のお母さんの危険兆候をわかりやすく解説した内容)を食い入るように見つめるお母さんたちが印象的でした。

 女性たちの中には、男性が運転するトラックで駆けつけてくれる集団のお母さんたちも。こうして集まってきてくれたお母さんたちに、また来てもらえるような集まりであり続けられるよう、努力したいと思いました。

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【診療所助産師による産前・産後健診の実施(201012-20112月)】

妊婦健診件数:105

診療所助産師による分娩介助件数:6件 

訪問による産後健診(新生児・産褥婦健診)件数:17

 

【コミュニティの反応】

 月に1度 ほど、村人との会議の場を設けています。母子保健の活動報告や、活動内で遭遇した様々な患者のケースについて情報を共有しています。今回は、「妊婦や低栄 養児の状態が悪く、すぐにでも搬送が必要だったのに、経済的な理由で家族・本人に拒まれたケース」と「お母さんの母乳不足が原因で、生後間もない双子が脱 水症状を起こしていたため粉ミルクが必要だったが、経済的な理由でミルク代捻出できないケース」において、ロシナンテスが試験的にその費用を補填したとい う事実を共有しました。将来このようなケースに遭遇した際は、村の抱える問題として村人にも意識を高めてほしかったからです。

 我々は情報を共有し、一緒にその問題について協議できればよいと思って村人会議の議題にしたのですが、数日後に村のある有力者から、「村で100ポンド(3千円ほど)集めたので、困っている母子のために使ってほしい」と言ってきてくれました。

 徐々にですが、こうした村人の反応からも、村人(特に男性)の母子保健に対する意識が変わりはじめているのを肌で感じます。

 

【乳幼児ワクチン接種システムの確立に向けて】

 診療所のワクチン接種サービス実施に向け、ワクチンルームも薬も保存用の冷蔵庫も全て整い、残るは肝心のワクチン接種を実施する人の研修です。20111-2月に診療所で雇用しているヘルスビジター(看護師、助産師、かつ村落助産師の教育的役割を担う)に、州保健省で行われている予防接種に関する研修を受けてもらいました。

  ようやくワクチンサービス環境は整ったので、あとはサービスを実施するにあたってのプログラムの策定と、村人のワクチン接種の必要性に対する意識を高めて いく(誤解を解く)ことが必要になります。先 日の母親学級の間で、あるお母さんから質問がありました。「妊娠中にワクチンをうつと、赤ちゃんが早く生まれてきちゃうってホント?」。それを聞いた周り のお母さんも、真剣に大きくうなずいて「そうそう」と相槌をうちます。このように、ワクチンに対して大きな誤解をしている人たちが村にはたくさんいるのが 現状です。(もちろん、ワクチンの影響で早産になったりはしません。)

 

【乳幼児健診実施に向けて】

 20106月に実施した女性調査で100世帯(5歳以下の乳幼児185名)に対する栄養状態評価(身長・体重測定)を行いました。うち、44(24)が中度から重度の低栄養状態とされ、今年に入ってそのフォローアップの為再調査を実施しました。44名中30名の再調査を終え、重度のケースに関しては病院に搬送するなどして対応しましたが、4名の死亡が確認され、依然として12名が中・重度の低栄養状態と判断されました。

  これを受け、来年度から行う予定の乳幼児健診には「低栄養児に対するフォローアップ」も重点を置く必要があるとして、母子保健チームで協議を重ね、ハサバ ラ診療所に低栄養児を定期的にフォローアップできるような機能を加えることを決定しました。現在、州保健省と今後の展開に関して協議中です。

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【スーダン人医師の日本招聘】

 嶋井氏のスーダン招聘に続き、201138-18日までスーダン人医師2名 が日本にやってきました。日 本の母子保健の現状を理解するとともに、研修での学びと経験を帰国後の母子保健政策に応用してもらうことを目的としています。母子保健事業対象地域の政府 関係者が、日本での研修を受ける意義は大きく、今後の母子保健政策への貢献はもとより、スーダン・日本間での職種や機関を横断する異文化理解とネットワー クの構築を期待しています。

 また、初年度担当の辰野が任期を終え、今後は後任の成田が母子保健プロジェクトを担当します。

更新日時: 2011年03月28日