
スーダンでの体験
九州大学医学部医学科 6年
高木 秀暢
(06年3月17日〜22日)
今回川原先生を訪ね、先生の活動の様子を体験させて頂くことができましたのでその内容についてここに報告させていただきます。私は以前カンボジアを旅行したときに国際保健に対して興味を持ち始め、今回は母校の先輩がNGOを設立して活動を行っているという話を聞き、実際にお会いする機会を得る事ができました。
先生の具体的な活動の内容などはホームページや記事など色々なところで知ることができると思いますのでここでは実際に体験した立場からの意見を述べさせていただきます。今回体験させていただいた事を簡単にですがまとめると、実質4日間しかなかったのですが、先生がスーダンの奥地でお独りで実際に診療されている様子、その村の人々との関係、アラビア語母子手帳の普及のために近くの州の病院を訪れ協力を得る、近隣の村の病院の視察、また、州の保健省に赴き保健大臣に自身の行っている活動の説明、それに対する承諾を得るといったようなことを実際に行っている様子を拝見させて頂きました。また、先生の活動とは別に、小学校に行き、子供たちに触れ合う機会も与えて頂きました。
こう書くとあまり伝わらないかもしれませんが、村の移動ひとつとってもオフロードの道を片道何時間もかけて移動し、日本のように至る所に標識があるわけでもないので現地の方にひたすら道を尋ね続けて迷いながらの移動と、一つ一つをこなすのに想像をはるかに超える労力を必要とします。時には40度を超える灼熱の太陽の下で。
なぜそこまでして活動を続けているのだろうか。そういう思いはスーダンに降りたってすぐに、見事に消えました。スーダンの人々に触れ合えば自ずとその理由は分かりました。先生が活動を続けている理由が私が考える理由と同じかどうかは分かりませんが、私にはそれで充分納得できました。通りを歩いていればなにかと話してくる人々、どの町へ行ってもチャイナチャイナと言いながら近寄ってくる子供たち、教室に遊びに行くと信じられないくらいはしゃいで身動き取れないくらい取り囲んでくる小学生、私の服が破けていることに気付くや否やその場で昔懐かしのミシンで縫ってくれる村人、何かの用で尋ねると必ず”飯は食べたか”、”お茶でも飲んでいってくれ”といって食事やお茶を用意して下さる人々。こういった日本で全く見るこのできない光景がひたすら広がっていました。
本当に温かいと思いました。この人々の笑顔を守るために溶けるような暑さの中近隣の村への道中、鉄板のようなアスファルトに寝転がりパンクした車のタイヤの交換をする川原先生が存在するのだと思いました。以前自分が国際保健に興味があり発展途上の国へ行き自ら診療したいと言うことをいうと、そういう枝葉のとこで活動するよりもっと根幹から変えないと意味が無いのではないか、役人にでもなって活動する方が多くの人を救えるのではないかと指摘され言葉に詰まったことがあります。しかし、先生の活動を体験させて頂いて今ではそれに対する自分なりの答えを持つことができるようになりました。確かにそれは一理あるかも知れません。かといってそれを理由に枝葉の活動もせずにただ傍観している人間にはなりたくないと思いました。例え小さな活動でもそこに喜んでくれる人が確かに存在する以上、それは決して意味の無いことではなく、また、それが始まりとなってたとえ時間がかかろうとも将来的に大きな力となればそれは本当に素晴らしいことだと思います。一番意味が無いのは活動の大小にとらわれて活動自体をしないまま悪戯に時を過ごしてしまうことではないでしょうか。そのことにやっと気付かせて頂いたように思います。
また、今回強く思ったのはやはり百聞は一見に全くもって如かないということでした。自分なりに国際保健に多少の興味をもっていたのですが、自分が体験するのでは全く得られるものは違うと思いました。とにかくほんの少しでも興味を持たれた方は先生の活動の様子を実際に見させて頂く事が一番だと思います。先生の人知を超えた豪快な人柄に触れるのもまた面白いことですし、イスラム教という、日本では全くなじみの無い宗教、及び文化に出会うこともまた一つの大事な体験となります。スーダンの人々と実際に触れ合うことも非常によい体験となります。小さな顔に釣り合いとれないくらい大きな目をした子供たちに自分の名前を呼ばれ”明日も来てね”と言われるとほんとに帰るのがつらくなります。そういったすべてのことが些細なようですが大切に思えてきます。
個人的には川原先生を始め、ロシナンテスのメンバーに会うこと自体も一つのイベントかと思います。ほんとに個性的な、それでいて大変魅力的なメンバーの集まりでした。思い返せばひたすら笑っていたように思います。そして、滞在中、本当にお世話をしていただきました。この御恩は必ず返します。先生には”おまえの恩返しは期待できんわい”と例の口調で言われそうですが、いやいや、返させて頂きます。こんなメバーの行う活動ですから本当によい方向に進んでいくのではないかと強く思います。まだ自分の将来についてはっきりしていない身分ですが、何らかの形で先生方の活動の一端を担わせて頂きたいと考えていますので宜しくお願いします。今回は本当に有難うございました。また、大変お世話になりました。学生生活最後の旅行に申し分無いものとなり、本当に感謝しております。またお世話になるかもしれませんが、その時は宜しくお願いします。では簡単でしたが、体験後の感想とさせて頂きます。有難うございました。失礼します