特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

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川原ブログ2016.08.21

南北スーダンの子どもたち

いつも、ロシナンテスを応援して下さり、ありがとうございます。

2010年の暮れ、北部スーダンの子どもたちを南スーダンに連れて行ってサッカー大会を行う予定でした。
なお、北部スーダンとは、現在のスーダンのことを表しています。混乱するために、北部スーダンと表記します。
その当時の政治状況は、北部スーダンは、南北の統一政権を望み、南部スーダンはスーダンからの独立を望んでいました。

2011年1月9日に南部スーダンの住民による、独立を問う住民投票が予定されていました。
そんな中でのサッカー大会でしたが、直前で南部スーダンの調整が上手くいかないことで、キャンセルとなりました。

混乱する政治状況からして仕方のないことでした。

2011年3月11日、東日本大震災が起こりました。
ロシナンテスは、緊急支援活動を行い、宮城県名取市閖上の方々との絆を深めていきました。
そんな中、閖上の方々と共に何かイベントができないかと考えたのが運動会でした。
それも、ただの運動会ではなく、南北スーダンの子どもたちを呼んで、閖上の方達と一緒に行う運動会にしようと思いました。
スーダンは戦争災害、東北は自然災害がありました。
未来を創っていくのは、子供達であり、南北スーダンそれに東北の将来のためのになると願っての運動会でした。

南北スーダンの子ども達は、運動会の後に、涙する子もいました。
それくらいに短期間でしたが、南北スーダンと閖上の子どもたちが親しくなったのでした。
東北の後に、長崎を訪問して平和学習をし、日本を出国したのが、7月7日でした。
そんなこともあり、この事業を「天の川プロジェクト」と名付けました。
スーダンに到着したのが、翌7月8日、そして7月9日に南スーダンの独立が宣言されました。

あれから5年が経過しました。

ジュールとヨールの兄弟も、天の川プロジェクトに参加して訪日しました。
彼らは、生まれも育ちも北部スーダンでしたが、お父さんが南スーダン出身で、お母さんが南スーダンとスーダンのハーフであり、南スーダンに行くこととなりました。
新しく独立した南スーダンの首都のジュバに家を構え、新しい生活が始まりました。
南スーダンにある大学への進学を考えていたのですが、学ぶ環境が十分でなく、ウガンダの大学に昨年から二人とも同学年で進学しています。
今年の7月、お母さんとジュールの病気があり、スーダンのハルツームの病院に来ている時に、南スーダンで争いが勃発しました。
それで、南スーダンには戻れずに現在もハルツームに滞在しています。
南スーダンに行けば、18歳以上の男子は出国が禁止とされているようで、南スーダンに戻らずにそのままウガンダに行くようです。
ジュールは、国際関係を学んで、将来は外交官になりたいと言い、ヨールは法律を勉強して、弁護士になりたいようです。
二人とも南スーダンの発展に寄与していきたいと言っています。

ゼインは、2012年から九州国際大学附属高校に留学し、15年無事に卒業しました。
日本語の読み書きも、かなり出来るようになっています。
現在は、ハルツーム大学で英語や中国語を学ぶ他、国際関係も勉強しています。
ゼインは、日本とスーダンの架け橋になりたいと言っています。
彼の将来もとても楽しみです!

ロシナンテスは、ジュールとヨールまた天の川プロジェクトに参加した南北スーダンそして東北の子どもたちを見守っていこうと思います。