特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

ロシナンテスからの活動情報をご案内します。

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川原ブログ2017.02.27

スーダン保健省スタッフの沖縄研修

スーダンの連邦保健省から13名の方々が、JICA 沖縄で研修をしています。

沖縄が以前に行っていた離島への駐在看護師制度で、彼らがどのようにして地域医療を担い、島民の健康管理をしてきたのかを学んでいました。

沖縄での課題(離島医療、人材不足、感染症など)に対して、対策をどう行ってきて、現状がどうなっているのかをスーダン人の目で見て考えることができたようです。

 

この学びをスーダンの地域医療にどう組み込んでいくのかが、今後の課題です。

私もスーダンに戻ったら連邦保健省に行き、彼らと話をしていきたいです。

この沖縄から学ぶ企画を進めているJICA 本部の萩野明子さん、JICA スーダンの雨宮さん、私を受け入れて下さったJICA沖縄の皆様、ありがとうございました。

川原ブログ2017.02.08

北コルドファン州栄養改善事業

検査を待つ親子①

 

北コルドファン州での栄養改善事業ですが、
WFP、 スーダンのNGOであるSIDO(サイド)、北コルドファン州の保健省、さらに住民のボランティアの方々との共同で行われています。
5歳以下の乳幼児、妊産婦の上腕周囲を計測することにより、栄養状態をチェックします。栄養状態が悪いと判断されれば、入院または通院で栄養補助剤の投与を行います。

 

乳幼児の腕の太さを測定中

 

この計測の際に使用されるのが、MUAC(上腕周囲径測定帯)というメジャーです。
MUACを使って上腕の周囲を測定することで、乳幼児や妊産婦の栄養状態を素早く簡易的に分析でき、栄養不良が確認された場合はすぐに妥当な診療をすることができるのです。

 

MUAC(上腕周囲径測定帯)

 

結果は「レッドゾーン」。
(赤い色は栄養不良の可能性がある危険な状態を示します)

 

検査の結果、栄養補助食品を処方され補給している子ども

 

北コルドファン州保健省では、我々が行っている事業で随分と栄養改善が進んだと評価してくれました。
さらに、広い地区を対象にこの事業を拡大して欲しいとの依頼を受けました。
この地域はアクセスがとても悪く、オフロードを2時間以上ランドクルーザーを走らさないといけません。

 

北コルドファン州へ続くオフロード

 

オフロードでは、砂地が柔らかく滑りやすいので
あえてタイヤの空気圧を下げて走行します

 

 

ロシナンテスが行っているハルツーム州の巡回診療よりも過酷な環境です。しかし、巡回でのワクチン接種や栄養改善事業を、北コルドファン州は拡張したいようです。
さらに水のアクセスがとても悪いようで、地域住民、北コルドファン州政府からも水の開発が一番の問題とのことでした。
さらに、教育のことや医療のことなど多岐にわたり話し合いを行ってきました。
ロシナンテスは北コルドファン州での栄養改善事業を継続するともに、今後何ができるのかを考えていきたいと思います。

 

 

川原尚行

川原ブログ2017.02.02

米国大統領令へのスーダンの反応

米国のトランプ大統領が、スーダンを含む中東アフリカ7カ国の、米国への入国を制限する大統領令を発したことで、混乱を来たしているようですが、現在のスーダンでの様子をお伝えします。
スーダンの街の様子は、いつもと変わりなく淡々としています。

 

いつもと変わらず穏やかに流れるナイル川

いつもと変わらず穏やかに流れるナイル川

 

私の友人に、今回の米国の大統領令のことを聞くと、うつむきながら、
「スーダンは前からテロ支援国家に指定されているので、いろんな制限を受けている。現在のスーダンの政権が変わらない限り難しい状態は続くよ」と答えてくれました。

 

その通りで、スーダンは、以前よりテロ支援国家に指定され続けています。
しかし、昨今のニュースを見る限りスーダンではテロは起きていません。
また、スーダン人が関わったようなテロも見ることはありません。
過去に、オサマ・ビン・ラーディンがスーダンに潜伏していたことはありますが、その後、スーダンから国外追放になっています。
ビン・ラーディンがテロに関わっていたことは周知のことですが、ニューヨークでのテロが起こったのは彼がスーダンを国外追放になってからです。
それが根底にあるのか、南スーダンの独立を認めても、まだテロ支援国家に指定されたままです。

上空から見たスーダンの街

上空から見たスーダンの街

そのような中、米国にいるスーダン人は、少なくありません。
私のスーダンの友人の家族も米国にいるのですが、今後家族とどう会うのか、頭を抱えています。
スーダンから米国へは渡航できませんし、米国にいるスーダンの人がスーダンに里帰りした後に、米国に再入国できるのか不明だからです。
スーダンは、家族の絆がとても強いです。
日本では、「便りのないのは良い知らせ」とも言われますが、スーダンの人たちはインターネット電話などを通じて、海外の家族とも日頃から連絡を取り合っています。
そして、スーダンの人たちは、イスラムの祝祭日には、日本の正月やお盆のように故郷に戻って、家族との時間を楽しみます。
それが現状では困難になっていることに、大きな不安を抱えています。

 

また、スーダン人の医師が、米国で高度医療の研修をするように計画していましたが、延期にせざるをえませんでした。
スーダン人国籍の米国にいる医師が、サウジアラビアから米国に帰国しようとして、入国を拒否されたという報道もありました。

 

私の周囲の日本人で、戦前のイラクやシリアに渡航経験のある人は、「当時のイラクやシリアの人たちは、スーダン人のように皆優しく、治安もとても安定していた。」と言っています。
スーダンにも、現在多くのシリア難民が入ってきています。
シリア人と話す機会もありますが、現在の報道以上に現場は惨憺たるものだそうです。
スーダンがシリアのようになる可能性は、悲しいことに完全には否定できません。

 

3

 

この写真のように、スーダンの人たちの温かい微笑みを見ると、戦乱にならないことを祈るのみです。
そのためにも、我々は、ここスーダンで踏ん張り、地域医療に貢献していきたいと思います。

 

川原尚行