特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

ロシナンテスからの活動情報をご案内します。

  1. HOME
  2. 活動報告ブログ
2019.07.18

ロシナンテス水基金2018 井戸完成のご報告

水基金2018「命を守り、育む『清き水』をスーダンに」として、多くの皆さまからご支援をいただいたオンムサマーマ村での給水所建設が完了しましたので、ご報告いたします。

この事業により、住民10,000人(周辺含む)が清潔な水を入手することができるようになりました。改めまして、ご支援いただきました皆さま、ありがとうございました。

 

事業概要

  • 事業地:スーダン共和国北コルドファン州オンムダム・ハージ・アハメド地域オンムサマーマ村
  • 事業内容:井戸新規掘削及び給水所建設
  • 受益者数:オンムサマーマ近隣住民10,000人及び家畜6,000頭
  • 事業実施現地パートナー機関:SIDO (サイドウSub-Sahara International Development Organization)

事業地(オンムサマーマ村)の位置

 

オンムサマーマ村 給水設備の整備

2019年5月中旬、下記内容で、給水設備の整備が完了しました。

  • 地下約150mの水脈から地下水をくみ上げる仕組み
  • 水を汲み上げるポンプを動かすためにソーラーパネルを取り付け、燃料を必要としない
  • 約10,000人の住民が必要とする水を貯めておけるよう、タンクを設置
  • 住民が水汲みに使用できるよう、蛇口のついた給水所を設置
  • 家畜に水を飲ませることができるよう、家畜の水飲み用の水槽を用意

また、6月4日には看板の設置が完了し、すべての工事が完了しました。

 

給水所完成後の様子

下記は、現地を訪問した際の様子です。

給水所遠景

大勢の住民が水を汲みにやってきている様子

清潔な水で顔を洗い、喜ぶ子どもたち

清潔な水に大喜びの様子

住民の貴重な収入源である家畜も、清潔な水が飲めるようになりました

 

住民の生活の変化

給水所の整備により、清潔な水が手に入るようになりました。また、水汲みは家族の中でも子どもの仕事となる家庭が多いため、特に子どもたちの水汲み労働の負担が軽減されました。オンムサマーマ村の住民の生活にどのような変化があったか、住民の話を聞きました。

サーミ君8歳、本来なら学校に行く年齢ですが、お父さんの許可がなく、今はハルワというコーラン学校に通学しています。

「この水場が出来て、家から近くなりました!お父さんは、来年から学校に行っていいと言ってくれました!新しい水場になり、学校にも行けるようになって、とっても嬉しいです!!」

 

ホイダちゃん14歳と妹。ホイダちゃんは現在8年生で、次は高校に進みたい、将来は医師になりたいと話しました。

「水汲みに以前は1時間以上かかっていましたが、新しい給水所ができて、15分程度ととても近くなりました。勉強時間も増えたので、頑張って医師を目指します!」

 

アワッド君7歳、小学2年生。「以前は水汲みに1時間くらいかかっていたけれど、今は20分くらいになりました!将来は頑張って警察官になりたいです!」

お母さんのアルダシーファさんは、「アワッドはよく手伝いをしてくれます。新しい井戸ができて、アワッドの負担が少なくなって良かったと思います。」と話してくれました。

現地の文化生活2019.07.08

スーダン駐在員の一日

こんにちは。ロシナンテスの東京事務所でインターン中の相葉です。6月からインターンさせていただいています。これまで国際協力の現場での経験は少ないですが、インターンとして実際の業務に携わりながら、今後この分野で仕事をしていくため多くのことを吸収させてもらおうと思っています。どうぞよろしくお願いします。

さて、私はこれまで途上国での駐在職に興味を持っていたものの、駐在員が現地でどのような生活をしているのか具体的にイメージを持てずにいました。ちょうど現在、東京事務所に一時帰国中の日本人スタッフがいるので、現地での生活はどういうものなのか話を聞いてみました。平日と休日についてご紹介します。

 


 

【平日のとある一日】

6:00 起床

7:10 出勤。朝食はビスケットとお茶などで簡素に済ませる。

住居とオフィスはとても近くにあるそうで、1,2分もかからずに到着するそうです。素晴らしい環境です。

7:30 ローカルスタッフを含め全員で朝礼。続けてその日のスケジュールについて、細かい部分などを個別打合せ。

オフィス内でのコミュニケーションはアラビア語ではなく、英語で行われるそうです。スタッフは総勢7人です。

~12:00 午前中は主にデスクワークに従事。

12:00~13:00 “breakfast”の時間。

スーダンでは、日本で昼食に当たる食事のことをbreakfast(=朝食)と呼ぶそうです。ローカルスタッフが食事を作ってきてくれることもよくあるそうで、みんなでお話ししながら食べます。一日の中でも楽しみなひと時だとか。

13:00 午後は打合せや研修のための外出が多い。最近では、学校事業や水事業関係、また政府機関などの連携先を訪問。

スーダンでは顔と顔を合わせるということがとても重要で、メールや電話のみで済ませることが難しいことも多くあるそうです。そのためどうしても外出が多くなります。

15:30 ローカルスタッフ帰宅

17:00 少し残業し、日本人スタッフも帰宅

ハルツームの気候は、日差しが強く、空気は乾燥していて、風が強いのが特徴です。街では常に赤土の砂ぼこりが舞い、外出するとすぐに砂まみれになります。そのまま家にあがると家の中が砂だらけになってしまうので、帰宅後は家に上がる前に砂を落とすのが大事だそうです。

帰宅後~18:00 洗濯や夕飯の準備

18:00頃 夕飯

スタッフ寮で生活しているので、夕飯はスタッフの当番制で自炊しています。

交代で作ったり、みんなで作ったり

夕食後~22:30 夕食後は自由時間。

自由時間は読書やインターネットなど、リラックスした時間を過ごします。電気供給が不安定なため1-2時間停電することもしばしばあるそうです。

23:00 就寝

 


 

【休日のとある一日】

7:00 起床

8:00 同僚などとテニス

週末にテニスをすることもあるそうです。暑いですが、運動することで一週間のいいリフレッシュになるそうです。

11:00 ローカルスタッフ宅でbreakfast

休日はときどきローカルスタッフの家にお呼ばれします。ローカルスタッフの家族と一緒に、スーダン料理を囲みます。スタッフとは家族のような付き合いです。

おいしそうな料理の数々!

12:00 帰宅、休憩。

午後 近所のカフェへ

ハルツームにも何件かカフェがあるそうで、徒歩10分ほどのところにある行きつけのカフェへ行ったりもします。ナイル河沿いにあり、眺望は抜群。特に夜に行くと、月が水面に映りとてもきれいなんだそう。考え事をするのにもちょうどよい環境とのことです。

カフェからの夜の眺め 月が水面にうつってきれいです

こんな感じでコーヒーが出てきます

街中にはこんなおしゃれなカフェもあるそうです!

ハルツームのおしゃれカフェ

久しぶりのクロワッサンやシナモンロールにはしゃぐスタッフの神野

 

17:00頃 帰宅

帰宅後はやはり砂を落として夕飯の準備や洗濯など。

18:00頃 夕飯

夕飯後 自由時間

停電やインターネットが不安定なことが多いため、手軽にできるしりとりをよくするそうです。現地には「ン」で始まる場所や名前があるので、今までのルールが通用せず、いつまででも続けていられるんだとか。その他、縄とびやアクセサリー作りなど、日本ではしないことをする傾向にあるようです。

スタッフ小川の手作りアクセサリー

23:00 就寝

 


 

以上、スーダン駐在員の一日を紹介しましたが、話を聞いてみると、やはり国が違えば文化によって仕事の仕方も違うということを強く感じました。またそれが現地で仕事を進める上でのポイントであり、国を超えて仕事をする上での醍醐味ではないかということも想像できます。現地で活動・生活する中では思うようにいかないことも少なくないということですが、基本となる言語をはじめ、文化を理解して人々の気持ちを理解していくことが大切だろうということを感じました。

話を聞く中で、事務所で働いていては見えないことがほんの少しではありますが見えた気がします。そういった現地の人々のためということを意識しながら、日々の業務も取り組ませていただこうと思いました。

一時帰国中の駐在スタッフにインタビュー中の相葉

 

 

川原ブログ2019.06.13

駐在スタッフ帰国の御礼とスーダンの現状

多くの皆さまにご心配をおかけしておりましたスーダン駐在職員3名が、無事に帰国いたしました。国外退避にあたりご尽力いただいた皆さま、気にかけてくださった皆さま、そして迅速に動ける体制、組織基盤を支えてくださっているご支援者の皆さまに心より感謝申し上げます。

2019年4月11日、30年間独裁政治を行ってきたバシール大統領が軍によって身柄が拘束され解任となりました。その後、暫定軍事評議会が設置されましたが、民衆は民政移管を求めての抗議活動を継続、軍本部前の周辺道路にバリケードを築き、平和的に座り込みを行なっていました。しかし6月3日、デモ隊を強制排除するために、軍事評議会が実弾を用いて座り込みをする人たちを攻撃し、100人を超える犠牲者が出ました。1ヶ月のラマダン(断食月)を終え、休暇に入ってすぐの出来事でした。

現地には日本人スタッフが3人滞在していましたが、治安の急速な悪化に伴い、全員の国外退避を目指して全力で動いてきました。1人は6日(木)に出国でき、2人を残すのみでした。現地ではインターネットが遮断され連絡がつきづらい状態でしたが、国際電話を用い何とかスーダンと連絡を取っていました。

7日(金)、国連がチャーターする飛行機にNGOスタッフも搭乗できるとの情報があり、彼らの座席を確保しましたが、出国ビザが取れずに残念ながら飛行機に乗ることができませんでした。スーダンでは滞在ビザを持っている人は、出国ビザを取らないと出国できない制度であり、通常申請してから取得するまで1週間から2週間かかります。治安が悪化して、出入国管理局の事務所に行くこと自体が危険と思われる状況でしたが、在スーダン日本大使館の支援があり、管理事務所に行って手続きを行い、即日で彼らの出国ビザが入手することができました。大使館の支援がなければ、このように短期間でビザの入手はできなかったことでしょう。

エミレーツ航空をはじめ、スーダン発着の商用フライトの多くがキャンセルとなっていましたが、8日(土)、エチオピア航空が予約できました。飛ぶことを祈っていたものの、このフライトも結局キャンセルとなりストレスが増す状態になりましたが、幸いにも翌9日(日)のエチオピア航空の予約が取れました。再びフライトがキャンセルにならないことを職員一同が祈る中、ローカルスタッフ・ラビアの夫モハメドが運転して空港まで彼らを無事に届けてくれました。治安の悪い中、事務所のある建物にラビアとモハメドがいてくれて本当に助かりました。あとは飛行機が飛んでくれるかどうかでした。

彼らが空港へ向かったその日、日本では当団体の総会と活動報告会が開催されていました。報告会の最中に、無事チェックインできたことがわかり、会の終了後、彼らが搭乗する飛行機が離陸したのを確認しました。そして10日(月)夜、無事に成田空港に到着することができました。

ロシナンテスのスタッフが無事に帰国できましたのは、外務本省、在スーダン日本大使館、そして現地と日本で多くの貴重な情報を共有いただきました日本国際ボランティアセンター(JVC)、難民を助ける会(AAR Japan)、その他数多くの関係者の方々のご尽力によるものです。職員一同、心から感謝申し上げます。

私はスーダンに昨日行く予定でしたが、しばらくは日本に滞在し、現地にいるスタッフを通じて状況を見極める予定です。一刻も早くスーダンの治安が回復し平和になることを心から祈っています。

無事に帰国した二人と!

 

川原ブログ2019.06.04

均衡が破られた月曜日

今の時期は、断食月のラマダンが終わり、休暇をみんなで楽しんでいる時です。そんな平和的なお休みが一瞬にして壊されました。

昨日、スーダン滞在のスタッフから「銃声が聞こえている」と連絡がありました。その後私のスーダン人の友人からも、抗議デモをしていた人たちを軍人が荒っぽい方法で追い立てている様子のビデオが送られてきました。4月11日にバシール大統領が退陣してから、民衆は軍本部前にバリケードを築き周辺一帯を占拠、一刻も早く軍制から民政への移行するよう訴えていました。軍部はそうしたデモ隊を、銃弾を用いて強制排除したようです。スーダン医師会の発表では、100名以上の負傷者がおり、死者も出ています。

そのような状況ですが、ロシナンテスの事務所、スタッフの住居の安全は確保されています。私は今週末の総会に向けて帰国中だったため、今朝のLINE通話では、スタッフの声を聞くことができて一安心しました。引き続きスタッフの安全を確保するために尽力していきます。

民衆の抗議デモは、ボランティアの精神を持ち、みんなで助け合いながら、非暴力に徹し平和的に行われていました。それだけに、その民衆に向けて発砲されたことに強い怒りを、多くの犠牲者が出たことに深い悲しみを覚えます。私の友人は、「軍制から民政に移行されるまで抗議デモを続ける。このことを日本に知らせてくれ!」とメッセージを送ってきました。

天安門事件が起きてから30年目だそうです。洋の東西を問わず、人間というものは本当に愚かなものだと思います。30年前と比べてよくなったと思うのは、ネットが発達して、世界の距離感が短くなり、スーダンと日本の連絡が容易になったこと。
我々にできることは、こうしたツールを使って今スーダンで起きていることを皆様にお伝えし、現地で困っている人たちのために何ができるか、考えていくことです。少しでも平和に近づくことを願います。

現地の文化生活2019.05.31

軍事政権に終止符?今回の政権崩壊の流れと特徴(2)

こんにちは、一時帰国中のスーダン駐在スタッフ小川です。

およそ30年続いたバシール政権が崩壊し大きな転機を迎えている今のスーダンについて、現地で見聞きしたことをお伝えすべく、5/19に報告会を開催しました。

イベントでお話した内容を、2回に分けてレポートするブログの後編です。(前編はこちら。)今回は、デモの頻発や政権交代が、一般市民の生活やロシナンテスの活動に与えた影響についてまとめたいと思います。

 

治安の悪化

デモを主導していたSPAから発信される連日のデモ予告を、様々なルートを通じて情報収集し、対応していました。アラビア語で出回っている情報を大使館やスーダン人スタッフが翻訳して共有してくれていました。それらを元にデモが行われる場所の近くにはいかない、時には自宅待機するなど、スタッフの安全確保を心がけていました。首都を中心に、催涙弾・催涙ガスの使用、銃撃戦の発生もありましたので、やはり緊張感はありました。

 

物価の高騰

  • パンは3倍
  • 燃料は4.5倍
  • その他日用品も日に日に上昇

政府による小麦の補助金撤廃、燃料価格の引き上げにより、パンやガソリンの価格は一気に引き上げられました。その他、水や生活用品の価格も日に日に高騰し、国民の生活は厳しくなっていきました。

 

経済混乱による現金不足

  • 銀行預金の引き出し上限:一日2000スーダンポンド(≒5000円)足らず

USDからの両替も困難前提として、元々スーダンは現金社会ですので、クレジットカードが利用できません。昨今の経済混乱により、銀行を含め、スーダン国中にとにかくお金がない状態が続いていました。

ロシナンテスのスーダン事務所でも、長期間現金の引き出しができなかったことにより、現金不足問題が発生。たまたま銀行から、明日一日に限ってUSDからスーダンポンドへの両替が可能と言われ、慌てて出張中の川原にUSD現金を持ち込んでもらい、現地通貨へ両替して対応したこともありました。

現金の引き出しが難しく、ATMにはいつも行列が

 

公共交通機関への影響

橋の封鎖、バスの運行取りやめ、渋滞が相次ぎました。

ロシナンテスの日本人スタッフは事務所の隣に住んでいるので、出勤が困難!とはならなかったのですが、バスで通勤しているスーダン人スタッフは、自宅待機などを強いられる場面もありました。また私たちも、出張からの帰りに普段通っている道が通行止めになり、5時間ほど遠回りする道を選んで帰ってきたこともありました。

 

NGO団体への影響

  • 治安の悪化・外務省リスクレベル引き上げ
    • →事務所閉鎖や出張取り止め
    • →日本人スタッフの退避(JICA、民間企業も同様)
  •  政府機能の凍結 → VISA取得や移動許可への影響
  • ローカルNGOの活動停止 → 活動継続への影響
  • 為替レートの変動 → プロジェクト予算の組みづらさ
  • 燃料価格の高騰、調達困難 → 移動手段の確保困難

デモ、政権交代は、治安の悪化のみならず、私たち国際NGOの業務そのものへも大きく影響を及ぼしています。先ず、政府機能の凍結についてです。通常私たちが活動をする中で、スーダン入国にあたってのVISA取得、活動地への移動許可、現地職員の人事関連の手続きなど、あらゆるプロセスはNGO管轄組織を通して行う必要があります。非常に煩雑な仕組みですが、現在の暫定政権下においては、当該組織のメンバー入れ替えや方針決定までの暫定期間であることが影響し、種々のプロセスが簡略化されているような場面があります。

また、国際NGOが現地で活動するにあたって重要となるのが現地NGOとのパートナーシップです。政権交代を経ていくつかの現地NGOが活動停止命令を受けているとのことで、国際NGOの活動継続への影響も生じかねません。幸いなことに、私たちのパートナー団体は現在も変わらずに活動を継続できています。

さらに、不安定な為替レートは事業予算の設定を難しくしていますし、燃料費高騰は活動地への移動制限や日々の管理費増加にもつながっています。

 

ロシナンテスの今

政治や経済が不安定な状況において、先行きが不透明な部分も多々ありますが、スーダンでは現在もスーダン人スタッフの協力のもと着々と活動が進んでいます。ロシナンテスの活動地である北コルドファン州では、建設中の給水所が今月完成。地域の人々は新たに水が得られる喜びを語ってくれています。また、首都の事務所に次ぐ2つ目の事務所開設の予定もあり、今後は一層現場に近いところでの仕事ができるようになることを期待しています。

今回民衆の手で成し遂げられた政権交代が、スーダン明るい未来に繋がることを願うばかりです。スーダンに一日も早く平和と安定が訪れることを信じて、これからもスーダンの人々と共に、事業を進めていきます。