特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

ロシナンテスからの活動情報をご案内します。

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スタッフブログ2017.09.20

【渡邊 周介】巡回診療の満足度調査

こんにちは!スーダン事務所の渡邊です。
今回は、プロジェクトを進めるうえで非常に大事な「プロジェクト評価」の話をしたいと思います。

ロシナンテスのスーダンにおける一番大事な事業は「巡回診療」です。そして、住民がその巡回診療をどう思っているかは非常に重要です。
医療サービスを評価する上で、もちろん「死亡率を減らした」「病気にならなくなった」なども非常に大切ですが、住民の満足度も同様に大切と言われています。利用者が医療サービスに満足していなければ、なかなか病院によりつかなくなってしまいます。何でもかんでも病院に行けばいいというわけではありませんが、体の問題があるのにどうせ何もしてくれないからと病院に来てくれないのは大きな問題です。

また、住民が「医療」全体に満足することは、住民自身が前向きに保健の問題に取り組むことの基礎ともなります。ロシナンテスとしては、巡回診療で医療のよい面を知ってもらい、そして前向きな住民たちとともに地域の保健を作っていきたいと考えています。

さて、難しい話を書いていますが、この満足度、評価するのはさらに難しいです。
まず、そもそも満足度とは何でしょうか。

「病院に行ったら先生が話をよく聞いてくれて満足!」
「病院に行ったら先生がかっこよかった!かわいかった!満足!」

医療サービスに関わる感想の中には色んな満足があります。
しかし、上の例で分かる?とおり、「その満足が本当に医療の質に対するものなのか?」「医療に対して前向きに向き合うことを促すものなのか?」と考えていくと、「とりあえず満足していますか?」と聞くだけでは不十分であると分かります。

そんなわけで、今年やりたいと思っていたこの医療に関する満足度の調査について、ハルツーム州の保健省、研究部門と議論を重ねてきました。
最終的には保健省の「ちゃんと住民の間で議論をし、細かい文脈も含めたデータをとることが重要なのではないか」という助言もあり、5つの村で巡回診療についてのグループディスカッションをすることになりました。

データ記録のために保健省の職員がついてきたり、データは大事だからとついてくるこれまた別の政府職員がいたりと、大所帯での調査になり、最終日は車3台で村へ向かいました。また、雨季のシーズンも重なり、5つの村に行くのは非常に大変でしたが、一度現場の仕事を始めてしまえばするすると進んでいくのがスーダン。1週間もかからずにデータ収集を終えることができました。(政府との交渉に3ヶ月もかけたのは何だったのか…)住民たちも「それは大事」と集まってくれ、色んな意見を言ってくれました。

データをまとめるのはこれからですが、巡回診療に対してはおおむね肯定的な評価をしてくれたようで一安心。こういった議論をしながら、少しずつ前に進んでいけたらと考えています。

川原ブログ2017.09.10

事務局長 星野のスーダン渡航

2016年4月より、ロシナンテス3代目の事務局長に星野賢一郎が就任しています。熊本地震への対応、北九州でのインターン制度の開始、ロシナンテス主催での活動報告会(東京・北九州)など精力的に事務局の運営を行ってきております。今年の7月に、星野がスーダンへ初めて訪問しましたので、今回はそのご報告をさせていただきます。

ロシナンテス初代事務局長の海原六郎君、その次の大嶋一馬君ともに複数回スーダンを訪問しています。我々の事業の視察を行うと同時に、当地のイスラム文化にも馴染むようになり、スーダン事務所と日本事務局とがより円滑に仕事ができるようになりました。

現在もスーダンと日本の意思疎通のために、連日インターネットを使用した電話をしていますが、それでも現場を見ないとなかなか事情を把握できないことも多く、星野の今回のスーダン事業視察に至りました。

夕刻の到着で、我々にとっては若干気温が下がった感じでしたが、日本とはまた別の暑さがあります。星野にとっては暑さの洗礼だったようです。現地スタッフのラビアが気を利かし、自宅でスーダン料理を用意してくれました。クレープを発酵させたような味のキスラとヨーグルトサラダという、少し日本人にはハードルが高いスーダン料理での歓迎でした。長時間フライトの疲れもあったのか大変そうでしたが、ラビアが笑顔で出してくれた大盛のキスラを星野は見事に平らげていました。

現地駐在員の渡邊、田才、それに私と男所帯に星野も加わり、いっそう汗臭さが増す宿舎でしたが、そこでロシナンテスの今後に関して尽きない話を深夜まで行い、翌日早朝からはフィールドへ行くという日々を過ごしました。

フィールド訪問では、皆様からのご支援で建設できた診療所のあるアルセレリア村へ行きました。舗装道から外れてオフロードをひた走り、2時間以上かけて現場にたどり着きます。アルセレリア村では現在進行中の給水所の建設現場にも行き、進行状況を共有しました。また、村の人がふるまってくれる食事やお茶をいただき、スーダンの文化にも親しんでもらいました。

ハルツーム州保健省や巡回診療を行う我々のカウンターパートである地域保健局での話し合いにも参加してもらいました。5月にハルツーム州保健省のスタッフを日本研修に連れてきていましたので、星野とも顔見知りで、笑顔で挨拶をしていました。ちょうど星野の渡航中に、彼らの日本研修に関しての報告会がハルツーム州保健省内で開かれました。保健省のスタッフ以外に、スーダンのNGOのスタッフなど、我々の予想を超える多くの人に来てもらいました。研修生は長野県の佐久総合病院での地域医療、北九州の済生会八幡病院、福祉松快園、西野病院、くれたけ荘での介護の現場の視察を行い、その様子を発表していました。この詳細については、渡邊が以前ブログでご報告させていただいておりますので、そちらをご覧下さい。

https://www.rocinantes.org/blog/2017/08/study/

最終日は、ラビアがご両親の住む実家で食事会を開いてくれました。羊を屠り、スーダンのご馳走がずらっと並びました。ラビアには、最初から最後まで本当にお世話になりました。ご主人のモハメドも一緒で、昔懐かしい話で盛り上がりました。彼ら夫婦は、ロシナンテスで一緒に仕事をした経験があります。モハメドは、今はロシナンテスのスタッフではありませんが、いつもサポートしてもらっています。

10月には、私が帰国して東京と北九州で、上記のことも含めて活動報告会を行う予定です。皆様と日本でお会いできますことを今から楽しみにしております。(活動報告会についてはこちらに記載しております)

スーダンを経験した星野と共に頑張って参りますので、今後とも、どうぞロシナンテスのご支援をよろしくお願い申し上げます。

スタッフブログ2017.09.03

【アルタイブ 茜】日本研修

皆さんこんにちは!ロシナンテスのあかねです。

スーダンでの日本研修シェアセッションのブログに越されてしまいましたが!今回は、日本での研修が一体どんな感じだったのかご報告致します。

スーダンで行われた日本研修シェアセッションの様子についてはこちらをご覧ください。

https://www.rocinantes.org/blog/2017/08/study/

5月15日から5月29日までの間、ロシナンテスの活動に関わっている地域保健従事者を対象にした日本研修を実施しました。主な目的は、日本の地域医療を見ることで、スーダンの地域保健従事者が地域医療について学ぶ機会を提供するとともに、両国間の交流を深めるためでした。スーダンからの研修生は、ロシナンテスのカウンターパートである地域保健局やハルツーム保健省から、地域医療に関わる助産師さんなどの計5名が参加しました。

今回の日本研修では、長野、福岡、東京の3ヶ所を訪問しました。長野では、佐久病院や各分院(診療所)で地域医療や高齢者医療、ケアについて講義を受け、その後各所見学をさせて頂きました。スーダン人研修生は、日本の介護医療やシステムについて興味深く聞き入っていました。

それぞれの国の文化や風習は違いますが、日本の良いところを取り入れれば、近い将来スーダンに新しい医療システムを確立させることも可能ではないかなどの意見が研修生から出ました。日本で学んだことをスーダンへ持ち帰り、関係者に共有することでスーダンの地域医療発展に繋げていきたいです。(前述の通り、7月にスーダンで日本研修のシェアセッションが行われました)

その後は福岡に移動しロシナンテスの活動報告会に参加しました。スーダンでのロシナンテスとの関わり、役目、活動などをスーダン人研修生とともに講演し、その後参加者の方々からの質疑もありました。その中で印象的だったのが「イスラム国が世界的に問題になっていることをどう思いますか?」というストレートな質問でした。それに対してスーダン人研修生の1人が答えました。

「イスラム教は殺人や他教徒を殺すことを禁じています。サラーム(アラビア語で平和)を基本にしている宗教です。イスラム国はイスラムの名を借りた過激集団に過ぎません。イスラム教とは無関係です。」参加者の中には「敬虔なイスラム教徒こそがイスラム国のメンバーになるのだと思っており、勘違いしていました。」とおっしゃっている方もおり、こうやって少しでもイスラムに対する誤解が解けていければいいですね、と研修生たちは話していました。

さらに福岡では、北九州市にある済生会八幡病院でも各病棟見学、先生方から病院や周辺地域についての説明をして頂きました。その後東京でスーダン大使館にて表敬訪問を行い、大使に今回の研修について報告をすることもできました。

研修生には今後、日本研修で得た経験をスーダンの地域医療従事者に伝えて頂き、スーダンの医療環境発展に努めてもらえればと思います。最後になりましたが、今回研修でお世話になりました方々、各病院、施設、診療所の方々、大変お忙しい時にこのような貴重なお時間を頂き誠にありがとうございました。今後もロシナンテスと関係者で一丸となって頑張ってまいります。

スタッフブログ2017.08.29

【田才 諒哉】アラビア語 学習中

こんにちは!スーダン事務所の田才諒哉です。

今回は、活動の話からは少し逸れて、アラビア語のレッスンについてお話したいと思います。

スーダンの公用語はアラビア語と英語なのですが、スーダンでは英語を話せる人は高等教育を受けたような限られた層の人だけであり、特にロシナンテスの活動地である村へ訪れると、そこにはアラビア語しか通じない環境が広がっています。

基本的に僕たち日本人スタッフは仕事の際は英語を使用しているため、アラビア語を仕事の中で使うことはあまりありません。

しかし日常生活においては、リキシャやアムジャと呼ばれる三輪タクシーやミニバスのような移動手段を使うこともあるので、スーダンで生きていく上ではアラビア語が少しでも話せる必要があります。そしてアラビア語ができた方が、もっと現地の人たちに溶けこめるのではないかと思い、スーダン事務所日本人スタッフの渡邊と田才で、アラビア語のレッスンを定期的に受講しています。

習い始めて3ヶ月以上が経ちましたが、アラビア語は発音するのも書くのもとても難しく、果たしてこの言語をいつか自在に操れる日がくるのだろうか・・・と思ってしまいます。

ですが、覚えたばかりのアラビア語をスーダン事務所内で使ってみたりすると、スーダン人スタッフも大喜びで、どんどん新しい言葉を教えてくれます。

スーダンに限らず、どの国へ行っても、その国で一番使われている言葉で会話をすることは、心の距離を縮める有効な手段なんだなあと思いました。

それでは、マアッサラーマ!(さようなら!)

自分の名前がアラビア語で書けるようになりました!

スタッフブログ2017.08.17

【渡邊 周介】日本研修シェアセッション

こんにちは。スーダン事務所の渡邊です。
雨季になると涼しくなると聞いていたのにやっぱり暑いな、そりゃそうだ、スーダンだもの、と思う今日この頃です。

さて、ロシナンテスは今年5月に、スーダン人研修生とともに日本で地域医療についての研修を行いました。テーマは「日本の遠隔地で考える地域医療、スーダンで役に立つものは?」です。
研修にはハルツーム州保健省の職員を中心に5名が参加し、それぞれが日本で学んだことを普段の仕事に生かしたい、と嬉しい感想を聞かせてくれています。
しかしそれだけでなく、周りの同僚にもぜひ共有してもらいたいということで「日本研修シェアセッション」と題し、ハルツーム州保健省内で意見交換のためのイベントを7月27日に開催しました。

スーダンですので直前までなかなか準備が進まず、やきもきもしましたが(未だになかなか慣れません)、当日は20人以上の職員が集まり、熱い議論を交わしました。(途中停電でクーラーが切れたりしたので、本当に暑かったです。)
始めに、私から簡単に研修の意図や全体像を説明しましたが、残りはすべてスーダン人によるプレゼンテーションと意見交換が行われました。

日本研修の感想について、面白いなと思ったものを以下に記します。
・日本はスーダンと違って医療従事者と患者さんの関係が近く、とても良いこと。
・在宅診療は非常に大切。患者さんの生活背景を知ることができる。
・情報共有が進んでいる。ただレポートをあげるだけでなく、それに対してフィードバックもあり、双方向の情報共有があるところが素晴らしい。

「日本研修シェアセッション」は参加者の方々に好評だったのではないかと思います。これが議論で終わるのではなく、遠隔地という医療を提供することが難しい場所で、どうやって医療を行っていくか。スーダン人の間で少しでも考えるきっかけになったらいいなと思っています。

なお、この「日本研修シェアセッション」には当団体職員だけでなく、独立行政法人国際協力機構(JICA)の職員の方にもご参加いただきました。ありがとうございました。