TICAD9 テーマ別イベントを終えて
九州大学のアジアでの知見をアフリカへ
こんにちは、ロシナンテスの川原です。8月22日に開催された、アフリカ開発会議(TICAD)のサイドイベント「ポータブル・ヘルス・クリニック(PHC)によるアフリカでの母子保健管理の飛躍 ―AI とデジタルクローンの活用―」に参加してきました。
九州大学が主催のシンポジウムで、長崎大学、大阪大学、グラミンコミュニケーションズとともにロシナンテスも登壇し、ザンビアで導入を進めている小型エコーの事例や他組織との連携についてご紹介しました。

九州大学のアジアでの知見をアフリカへ
九州大学はこれまで、アジア各国において蓄積してきた医療・技術・地域協働のノウハウをもとに、今後アフリカ展開を視野に入れた新たな一歩を踏み出しています。特に、現在ザンビアで進行中の“超音波診断機器による母子保健のデジタル管理”においては、九州大学とバングラデシュのグラミンコミュニケーションズとの協働によって、さらに高精度で持続可能な体制へと深化が期待されています。
長崎大学熱帯医学研究所との連携
アフリカで豊富な経験を持つ長崎大学熱帯医学研究所との協働により、現地に根ざした科学的・医学的な知見に基づくプロジェクト展開が可能となります。熱帯病や感染症対策の面においても、より効果的な施策が期待されます。
デジタルクローン技術の未来展望
大阪大学工学部・伊藤庸一郎教授が開発されたデジタルクローン技術を活用して、医療資源が限られたアフリカの地域医療に新たな価値を創造するという構想も進んでいます。医療の「デジタルツイン」を通じた高度なケア提供が、遠隔地の住民にも届く日が近いと感じています。
ロシナンテスの役割
ロシナンテスは、常に“現場に根ざし、現地の人々にどのような恩恵を直接届けられるか”を第一に考え、その実現のために大学や研究機関と協働する架け橋として活動しています。理論や技術を現地のニーズと結びつけることこそが私たちの使命です。
スーダン復興への思い
イベントの締めくくりとして、九州大学の石橋達朗総長と駐日スーダン大使によるアクションプランへの署名が行われました。

スーダンは依然として内戦下にあり、多くの医療従事者が国外へ避難しています。こうした中で、PHC(ポータブル・ヘルス・クリニック)やデジタルクローンをはじめとする技術が、スーダンの人々の健康と未来を支える日に繋がるよう、私たちは強く願っています。
