終活ってどういうことをすればいいの?[そよ風コラムvol.2]
皆さまから多くいただく疑問の声にお答えするシリーズ、そよ風コラム。専門家の皆さまの力をお借りしながら、職員が日々学んだことを記していきます。
今回は、「終活」ではどういったことをするものなのか、具体的な内容についてお伺いしました。

終活に含まれる主な内容

終活には具体的にどのようなことを含むのでしょうか。細かくリストアップすると本当にたくさんのことが挙げられるのですが、ここでは代表的な取り組みをいくつかご紹介します。
エンディングノートの記入 | 医療や介護に関する希望、延命治療の有無、葬儀やお墓についての意向、遺言書の有無や財産目録、親しい人へのメッセージなどを記しておくもの。法的効力はないが、自分の意思を「見える化」できる。 |
遺言書の作成 | 財産をどのように分けるか、誰に何を遺したいかを明記する法的な書類。家族間のトラブル防止や、遺贈寄付などの社会貢献の手段としても有効。 |
財産情報の整理・棚卸し | 銀行口座やクレジットカードの情報の一覧を作成。不動産、預貯金、有価証券、保険契約などを整理し、必要に応じて契約内容を確認・見直し、定期的に更新することも重要。 |
医療・介護の意思表示 | 自分が意思表示できなくなった場合に備え、延命治療や在宅介護の希望を明らかにしておくこと。家族や医療従事者の判断の一助に。 |
デジタル終活 | SNSやインターネットのアカウント、クラウド上の写真やデータ、ネットバンキングのID・パスワードなど、デジタル資産についても整理・一覧化を。 |
財産情報の整理・棚卸について、齋藤先生のおすすめは「終活ファイル」の作成だそう。銀行のカードやクレジットカードなど、情報を書き出すのが大変なものはどんどんコピーしてファイリングしていくというもので、エンディングノートと並行して作成するのがおすすめだそうです。

ファイリングするものの例
- キャッシュカード・クレジットカード
- 財布から全部出す → 並べてコピー → 裏面も
- 保険・年金・不動産関係の書類
- 保険証書、年金手帳、不動産権利証書
- 葬儀関係の書類
- 互助会メンバー会員証、遺影用写真
- 遺言書など
- 公正証書遺言の謄本、自筆証書遺言の保管証
- その他
- ネット銀行や証券の口座番号、定額制サービスのID・パスワード
実際にこれを作ると、クレジットカードの情報が一覧できる、書類をあちこちから探さずに済むといったメリットも。

「生ききるための準備」へ
多くの人にとって、死を意識することは不安や怖さを伴うものです。けれども、終活を通して自分の希望や価値観を言葉にしていくうちに、「どう死ぬか」ではなく「どう生きるか」という視点へと自然に意識が変わっていきます。

とはいえ、忙しい日々の中ですべてを一気に整えようと思うと、腰が重くなりがち。できるところから、少しずつ取り組んでいくことが何より重要です。エンディングノートに、持っている銀行口座を書き出してみる。そんな小さな一歩が、安心感や心の整理につながるはずです。
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