スーダンの筆・ガサバで題字を書いてみた!
2025年9月、理事長川原がスーダン東部の港町・ポートスーダンを訪れた際、現地の文房具店で一本の筆を購入しました。

これは「ガサバ」と呼ばれる、葦(あし)や竹を削って作るスーダンの伝統的な筆です。アラビア語で「葦」を意味する qaṣaba(قصبة) に由来し、スーダンでは古くから、子どもたちがコーランを学ぶ際に使ってきました。
スーダンのイスラーム教育では、子どもたちは「ラウハ(lawḥ)」と呼ばれる木の板にコーランの節を書き写し、暗唱して覚えます。その際に使う筆がこのガサバです。先生が自ら葦を削って先を整え、手作りの墨で書くのが一般的です。書き終えた板は水で洗い流し、また次の学びに使われます。
また、芸術面でも、スーダンの書道家などがこのガサバ筆を使ってアラビア書道作品を制作しています。

今回購入したガサバは、現地ではごく身近な文房具のひとつです。細い竹のような葦を斜めに切り、先に小さな切れ込みを入れてインクを含ませる仕組みになっています。実際にこの筆を使って書いてみると、柔らかな線が出て、インクのかすれ具合にも独特の味わいがあります。
日頃、ご支援者の皆さまにお届けしている会報「遠回り」の表紙の題字は、理事長川原が日本の筆で書いていますが、今回は趣向を変えて、スーダンの筆、ガサバで書いてみることにしました!文房具店で墨も購入し、店先をお借りして題字を書きました。
実際にガサバで書いてみた動画はこちら
https://youtube.com/shorts/gtLJwiWX8P8
スーダンでは、ガサバやラウハを使った学びの風景が今も各地で見られます。この素朴な筆の先には、知識を大切に受け継いできた人々の暮らしと信仰が息づいてます。遠いスーダンの地に思いをはせて、その文化の一端を感じていただけたら嬉しいです。
