特定非営利活動法人ロシナンテス

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現地の要請に応えて——内戦中のスーダンへ救急車を寄贈

現在ロシナンテスでは、内戦中のスーダンに救急車を寄贈する取り組みを進めています。昨日無事スーダンの地に到着したとの連絡が入りました!

救急車が無事スーダンに到着

ここから活用する地域へ配備するにあたってもう少し調整が必要な段階です。活用され始めましたらまた改めてお知らせしますが、今回はこの取り組みの概要についてご紹介したいと思います。

人口の4分の1以上が避難

2023年4月15日にスーダンにて軍事衝突が勃発しました。スーダン国軍とRSF(Rapid Support Forces:ダルフールの民兵組織を起源とする準軍事組織)との間の武力紛争で、首都ハルツーム市街地をはじめ各地に広がりました。

スーダン国内での戦闘により、320万人以上が周辺国へ避難し、1,010万人が国内避難民(IDPs)となっています。また80万人以上の、もともとスーダンで難民として暮らしていた人々も、やむを得ず自国への帰還を強いられています。人口の4分の1を超える人々が、こうして自宅を離れ避難生活を送っている状況です。

2025年時点では3,000万人以上が人道支援を必要としていると報じられ、12以上の地域で飢餓の瀬戸際、また飢餓状態が確認されています。飢餓に加えて疫病の流行がさらに状況を悪化させています。

想像以上に厳しい医療の現状

国内一部の地域では重要なインフラが崩壊し、医療や安全な水など、基本的なサービスへのアクセスが著しく制限されているのが実情です。

2025年のHeRAMS Sudan baseline reportによると、かつて国民の保健サービスの70%を担っていたハルツームでは38%の医療システムが機能不全に陥り、わずか14%の病院しか稼働していません。医療システムの崩壊や劣悪な環境等が原因となり、コレラ、ジフテリア、マラリア、デング熱などの病気の流行も深刻です。コレラは全18州、デング熱は14州、マラリアは16州で発生が報告されています。

医療システムにおいては、病院が襲撃され救急車が奪われる被害が出ています。現地政府の話によれば、国内に約1,000台あった救急車が、奪われたり壊れたりして現在はわずか200台にまで減少しているとのことです。救急車が失われた地域では、救急車の代わりにロバを使用して患者を搬送するケースもあります。

廃棄予定の救急車を寄贈

こうした厳しい状況が続くスーダンへ、神奈川県横浜市から2台、福岡県北九州市から2台、計4台の救急車の寄贈が実現しました。通常であれば一定の使用期間を過ぎた車両は廃棄されるところですが、「国際協力の一助になれば」と寄贈に応じてくださいました。

本来スーダンでは中古車両の輸入は禁止されていますが、今回は特別措置として、中古救急車の輸入が認められることになりました。

北九州市からの救急車は、ロシナンテス理事長川原の講演を聞いた市内の中学生の協力で制作された、オリジナルステッカーと横断幕とともにスーダンへ輸送されました。ステッカーには、平和の象徴のハトや、北九州市花のひまわり、スーダン国花のハイビスカスのデザインが施されています。

北九州青年会議所の皆さまのご尽力で寄贈が実現しました!

初めてだらけ!輸送実現までの道のり

過去にも北九州市から救急車の寄贈を受けたことがありますが、もう15年ほど前のことです。どのような手続きが必要なのかなど、改めて関係各所にヒアリングすることから始まり、ほぼ丸1年をかけてスーダンに到着しました。

今回寄贈された4台の救急車

ここでは、これまでにどのような作業が発生したのか、マニアックな内容をお知りになりたいという皆さまに向けて簡単に記載したいと思います(飛ばしていただいても!)。

① 輸出書類の作成・通関手続き

  • ■関係者と協力し、インボイス、パッキングリスト、輸出申告関連書類を作成
    • 👉輸出にご協力いただける会社さんと連携し、日本側、スーダン側それぞれで必要な書類を作成しました。
  • ■運輸支局・税関へ提出

② 船積み手配、輸送開始

  • ■関係者と協力し、船会社の選定、船積みを手配
    • 👉中東の情勢悪化の影響を受けて、船会社の選定にも時間を要しました。その時の情勢等により通れないルートもあり、様々なリスクを鑑みて輸送の可否を判断するそうです。今回の輸送にあたりご尽力いただいた皆さまに心から感謝申し上げます。
  • ■諸々の確認を経て、日本から輸送を開始

③ スーダン側の受入調整

  • ■免税・通関に必要な輸送関連書類の作成・提出
    • 👉スーダンの輸入時の取り決めにより、持ち込むすべてのものをリスト化する必要がありました。車両の中に配備されている備品についてもリスト化が必要だったため、車両を保管している場所まで赴き、車両の中にある細かい備品類まですべて書き出すなどの作業を行いました。
  • ■現地政府・関係機関と調整し、輸入許可を取得

④ スーダンで救急車を受領

  • ■船荷証券の共有、通関を経て車両引き渡し
    • 👉最終調整を経て、無事スーダンでの受領が完了しました。通関業者とのやりとりはオンラインでは難しく、理事長の川原が何度も渡航する必要があり、ここにも時間を要しました。

ここまででおよそ1年をかけ、救急車は無事スーダンに到着しています。ここから、救急車を必要としている地域へ配備するため最後の調整を行います。

病院や支援組織の活動で活用予定

今回寄贈する4台の救急車は、首都ハルツームや、救急車が到着した港町ポートスーダンの病院、その他、国連組織とともに活動する地域の支援組織の活動で活用される予定です。各地域に配備されましたら、また改めてご報告したいと思います。

救急車寄贈について語る講演中の川原