特定非営利活動法人ロシナンテス

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ザンビア2025.05.21

血圧計・体組成計をアフリカの診療所へ導入~妊産婦の健康管理をサポート

エレコム株式会社様より寄贈を受けた血圧計50台と体組成計18台を、ザンビアの診療所に導入しました。

安全な出産や結核治療に欠かせないアイテム

ザンビアの村落部では、診療所まで歩いて何時間もかかる地域が多く、家での出産を選択する、診療所に向かう途中で出産する、といったケースが多くみられます。医療施設以外での出産は、妊産婦が亡くなる主原因である重度の出血(主に出産後)、感染症、分娩による合併症などへの対応が難しく、母子ともに危険な状態にさらされます。ロシナンテスは適切な医療とケアが受けられる体制を整え、施設での安全なお産を増やすことを目指して活動しています。

妊娠中、気を付けたい病気のひとつに「妊娠高血圧症候群」があります。母子ともに命に関わる危険性があるため慎重な健康管理が必要とされています。また、もうひとつ気を付けなければならないのは「適切な体重の増加量(※)」です。健康的な赤ちゃんを出産するため、血圧・体重・BMIの定期的な測定は必要不可欠とされています。

結核治療においても、結核の症状による血圧低下や、投薬中に特定の食べ物を多量に摂取することで血圧が上昇するケースがあるため、定期的な血圧測定が重要となります。また、食欲不振による体重減少が結核の兆候となることがあるほか、体重に応じて投薬量を調整する必要があるため、正確に測定できないと過剰投与のリスクが生じます。適切な診断と治療を行うためにも、血圧・体重の測定は欠かせないものとなっています。 

このように、正しい数値を把握するための血圧計や体重計の役割は大変重要です。しかし村落部では、資金不足により各施設への配備が難しいのが現状です。

村落部の診療所35カ所へ導入

現地では病院レベルでも各部門に血圧計や体重計が十分に備わっておらず、他の部門から借りる必要があるため、患者の待ち時間が長くなることがあります。幾つかの診療所では、機器が故障していたり、測定値が不正確だったりすることがあり、正確な診断が難しい状況です。そこで、ロシナンテスの事業地があるチサンバ郡、チボンボ郡の保健局の担当者と協議し、必要な施設をリストアップして寄贈先の施設を選定しました。

寄贈により、村落部の診療所ではきちんとしたデータをもとに診察や処置ができるようになります。病院では他部門から借りる必要がなくなり、診断までの時間が短縮されることが期待されます。また、正確な測定が可能になることで、より適切な診断と治療につながります。初期導入の際には、理事長の川原も現地に入り、機器の使用感について診療所のスタッフと確認を行いました。

エレコム株式会社ヘルスケア事業部のビジョンと寄贈の背景

今回の寄贈は、エレコム株式会社のヘルスケア事業部がビジョンとして掲げる「届いていないところに届ける」活動の一環で、世界中の妊産婦が安心して妊娠・出産を迎える環境を整えるための支援活動として実現しました。

ロシナンテスが向き合うザンビアの地域医療の課題に寄り添い、寄贈に向けてご尽力くださったことにこの場を借りて御礼申し上げます。

寄贈製品

<上腕式血圧計>

<エクリア体組成計>

エレコム株式会社とは

エレコムは1986年に創業し、パソコンブームの到来とともに企業規模を拡大。主にIT周辺関連製品の開発、製造、販売を行い、近年では、パソコンやスマートフォンなどのデジタル分野だけでなく、ヘルスケア、ゲーミング、調理家電、理美容製品、アウトドア、ペット家電、ソリューション提案などのさまざまな分野に進出し、これまでになかった快適さや便利さを届けることで成長し続けている。「Better being」をパーパスに掲げ、より良き技術・品質を追求し、持続可能な社会や環境に貢献することを目指している。

※出典:国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所