特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

ロシナンテスからの活動情報をご案内します。

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スタッフブログ2017.12.28

【寺田 美知子】砂漠の村での栄養改善

こんにちは、スーダンの活動現場を見てきて張り切っている寺田です。
先日に引き続き、出張のご報告をいたします。

今回は、北コルドファン州の栄養改善事業についてです。

ロシナンテスは、北コルドファン州オンムダム・ハージ・アハメド地域にある7つの診療所で、国連WFP(世界食糧計画)と現地NGOのSIDO(「サイド」と発音します)と共に栄養改善事業を展開しています。

今回はWFP、SIDOのスタッフとともに3つの診療所を視察しました。加えて、州政府の人道支援委員会の委員長も参加し、州政府のこの問題への関心の高さを感じました。

この栄養改善事業は、生後6ヶ月~59ヶ月の子どもと、妊娠中、授乳中の女性を対象にしています。
成長期の子どもや、胎盤や母乳を通して赤ちゃんを育むお母さんが栄養不良に陥ると、子どもの成長発達が妨げられて障害が生じたり、病気に対する抵抗力が低下したり、深刻な場合は死に至ることもあります。
そんな悲劇を防ぐための活動が栄養改善事業です。

本事業の対象となっている診療所には、数名ずつボランティアがいます(大多数が女性ですが、男性も活躍しています)。
ボランティアは、各村のリーダーからの推薦を受け、3日間の研修を修了しています。まず、彼女たちが村を訪問して栄養不良の人がいないかどうかをチェックします。栄養状態チェックでは、巻尺を使って二の腕の周りの長さを測り、二の腕の太さによって「正常」「栄養不良」「深刻な栄養不良」と判定します。
そして「栄養不良」「深刻な栄養不良」と判定された人に、さらなる検査のために診療所に来るように勧めます。

診療所にやってきた栄養不良の子どもや女性をみるのは、栄養アシスタント(この地域では全員女性)です。身体測定をし、栄養不良の程度に応じた栄養補助剤を渡します。
また、栄養アシスタントはWFPや地域保健局等が実施した研修で栄養について学んでおり、母乳や離乳食の大切さや栄養価の高い食事についての情報を伝えるのも彼女たちの大事な役割です。視察中、この地域でも比較的大きなオンムダム診療所では時間をかけて色々な話を聞くことができました。栄養アシスタントの一人は、研修の修了証を誇らしげに並べながら「たくさん勉強させてもらったので今の仕事で困っていることは特にないけど、年少期の子どもの栄養についてもっと学びたい」と話してくれました。

オンムダム診療所の栄養アシスタントと修了証

栄養補助剤支給の対象となった人たちは、「正常」と判定されるまで毎月チェックにやってきます。この日のオンムダム診療所でのフォローアップ対象者36人のうち、12人は栄養状態が改善し「正常」と判定されたとのことでした(7ヶ月経っても改善がみられない場合は、もっと大きな施設で対応してもらうことになります)。

栄養アシスタント手作りのポスター

この地域では7割以上の家庭が牧畜や農業で生計を立てています。自然の恵みである家畜や農産物に依存する生活は、水のあるなしにダイレクトに影響を受けます。ある栄養アシスタントからは「11~7月の乾季の間、特にソルガムの刈り入れが終わった1月以降は農作物もとれなくなり、家畜のミルクも出なくなるので、最も栄養状態が悪くなる」との声を聞きました。また、舗装路を降りてから車で2時間近くもかかるオンムダムでは、地域外から食糧を運び入れることも容易ではありません。
栄養問題は、住民の貧困や、知識不足、食習慣、そして、公共サービスの不足や人口増加、厳しい自然環境など、様々な要因が複雑に絡み合っており、すぐに解決できるような問題ではありません。まるでドン・キホーテ(とロシナンテとサンチョ)の前に立ちはだかる大きな風車のようです。一度にその要因全てを解消することは難しいですが、地域の関係機関の皆さんの思いを聞いて、栄養改善は決して「手の届かない星」ではないと感じました。
これからも現地の人たちと話し合ってそれぞれの役割を確かめながら、ロシナンテスとしてできることをひとつひとつ進めていきたいと思います。

SIDO、オンムダム地域政府、州政府の職員との話し合い

スタッフブログ2017.12.25

【寺田 美知子】初めてのスーダン出張

はじめまして。10月にロシナンテスに入職しました寺田美知子です。
ロシナンテスに入職するまで、私は看護師、保健師として日本国内やキリバス、ソロモン(どこか知ってますでしょうか…)で活動してきました。

私は普段は日本でスーダン事業を支える仕事をしているのですが、今回初めてスーダンに出張し、現地の様子やロシナンテスのスーダンでの事業を見てきました。今回は、約2週間のスーダン滞在で感じたことを報告いたします。

スーダンの第一印象は「砂の国」。
首都ハルツームは立派な大通りが多いのですが、一本横道に入ると砂のでこぼこ道で、靴の中が砂でざらざらになってしまいます。

家のドアや窓を閉めていても、細かい砂がどこからか入ってきて、すぐに家具などに積もってしまいます(クリーナーのイルハームが大活躍です)。

ハルツームから車で8時間以上かかる北コルドファン州の栄養事業視察にも行ってきましたが、その間の景色も9割以上が砂漠。
白ナイル・青ナイル川の合流地点であるハルツーム周辺はナイルの恵みや発電機を使った灌漑設備のおかげで畑が多いのですが、街から離れるほど、そして舗装道路から離れるほど、目に映る緑の量が明らかに減り、白茶けた風景になっていきます。

12月は乾季である上に、ソルガム(スーダンの主要穀物)がちょうど収穫期を終えたところだったので余計に緑が少なく、視界に入る食べ物と言ったらヒツジ、ヤギ、ウシ、ラクダなど、どちらかというと緑を食べてしまう家畜ばかり(そしてみんな何となく茶色…)。

厳しい自然環境の中で「皆、何を食べているんだろう」と心配になってしまいます(ヒツジですかね)。

景色の9割が茶色の砂漠

そんなスーダンの第二印象は「プチ・オアシスの国」。
茶色なスーダンだからこそ、ちょっとした緑が印象に残ることが多かったです。

ハルツームには植木屋もあり、政府系の建物や大きなモールの前にはきれいに刈り込まれた木や花が植えられていたりします(ついでに噴水まであったりして)。
オフロードを何時間も走った砂漠の村の家でもブーゲンビリアやバジルが植えられていたり、砂漠の木陰に家畜用の垣根を作ってあげていたり。

スーダンの人たちが緑を大切にしている風景に親しみを感じ、何度も癒されました。

家畜のための木陰

また、道を歩いていて気になったのが、謎の水がめと水差しの多さです。
特に素焼きの大きな水がめは、多い所では数件おきに道端に並べられており、中には子ども一人入れそうなサイズのものもあります。
聞いてみると、素焼きのかめは飲み水用、水差しは主にお祈り前の浄め用(お祈りの場所はモスクに限りません。市場の一画などでは敷かれたござの上でおじさんがごろごろ昼寝していたりしますが、時間になるとここに皆がきちんと並び、厳かにお祈りが始まります)、とのことでした。

これらの水は各家の人が管理しているそうですが、どちらも誰でも 無料で利用できます。

町中のプチ・オアシス、水がめ

ちなみに砂漠の村では「ギルバ」というヒツジの革に水を入れたものが吊るされていました。

見た目はちょっとグロテスクですが、水は気化熱で冷えるためおいしいそうです(味見をしようとしていたら私のお腹を心配したドライバーに止められてしまい、手を洗わせてもらっただけでした)。

「ギルバ」(尻尾部分が注ぎ口になります)

さらに、訪問先では甘い紅茶やコーヒーでもてなされることが多かったのですが、北コルドファン州の砂漠の村では、おじいさんが痛む足をひきずりながら自分の家からバケツに入った水を運んできてくれました。
この村には池や井戸がなく、毎日近くの町からトラックで運んでくる水をお金を払って買っています。おじいさんは、私たちが村に来たことを聞きつけて、その貴重な水をもってきてくれたそうです。

乾いた土地だからこそ、ささやかな緑や水の新鮮さを分かち合え、人々の優しさを感じられる、そんなプチ・オアシスにたくさん出会うことができたスーダン出張でした。

スタッフブログ2017.12.10

【アルタイブ 茜】スーダンで標準時刻変更

こんにちは。
日本は師走に入り忙しい時期でしょうか。
スーダンは秋になり、朝晩涼しく、過ごしやすくなってきました。

最近のスーダンのニュースですが、
時刻が変わりました!!
それも、なんといきなり!!!
それもそれも、なんと私の誕生日に!!!!

以前から、巷では都市伝説的に「時間が変わるらしい」「1時間早くなるらしい」「いや遅くなるらしい」などとささやかれていました。
スーダン政府から正式発表があったのは直前の10月29日。
「11月1日(私の誕生日)からスーダンの標準時を1時間遅らせる」というものでした。

具体的にどのように時刻が変わるかというと、
「10月31日から11月1日にかけての深夜0時になった瞬間に時刻を1時間戻し(10月31日23時になる)、1時間後にもう一度深夜0時がくる」
というものでした。(スーダンと日本の時差は6時間から7時間になります。)
つまり、、、私は2歳年をとることになります。(笑)

こんな歴史的瞬間に、しかも私の誕生日に(しつこい?)立ち会えるのです!
私は10月31日23時58分頃からスマホを手にし、田才(スーダン事務所スタッフ)とメッセージを始めました。
2人で時刻の変更を見守ることにしたのです。

「どうなるのかな?」
「もうすぐやね。。。」
「おぉ、あと1分!!」
そして深夜0時になりました。

<シ―――――――――ンッッ>

我が家は空港近くの大通りに面しているのですが、、、
時刻変更の瞬間に通行人が「キャーーッ」とか「ワァ――――ッ」とか、、、、ないのか???
結婚式や卒業式などの行事では、いつもガンガン、クラクションを鳴らすくせに。。。なんか、ないのか?

田才「えっと、、、何も変わりないですね。。。」
茜 「ほんと普通に0時過ぎましたね」
田才「あかねさん、お誕生日おめでとうございます(笑)」
茜 「ありがとうございます(笑)」
時刻変更の瞬間は、一言で言えば、、、、、、、『、、、で?』と言う感じでした。

しかし!10分後、田才からメッセージがありました。
「iPhoneの時刻が変わりました!!」
「おぉぉぉぉぉぉ」
、、、なんで、私のスマホは変わんない??

2度目の0時にも田才からは「お誕生日おめでとうございます!(2歳目用)笑」というメッセージが届いたのですが、、、
結局この夜、私のスマホに変化はなく、いつも通り夜が過ぎていきました。

まとめとして
1. iPhoneはすごい!!!(私は翌日、自分でスマホの時間設定を変えました)
2. 私は2歳年とった。。。。。。。(^^;)

こんな風に新しい時間になったスーダンですが、これからもよろしくお願いいたします。

チャンチャン♪

注:茜が本当に2歳年をとったわけではありません。なお、何歳かはヒミツだそうです。
(田才コメント)

スタッフブログ2017.11.30

【令官 洋子】スーダン事務所着任のご挨拶

はじめまして、こんにちは!

渡邊の後任でスーダン事務所に着任しました令官洋子(れいかんようこ)と申します。

スーダン共和国に来るのは今回が2回目。1年前にも訪れ、明るく強い日差しと砂埃舞う中、すれ違う人々の優しい笑顔に魅せられました。その反面、スーダンではインフラや行政サービスが十分に整備されていないため、自身や大事な家族の健康を守ることが難しいという現実も知りました。この度、より多くの人々へ「医」を届けたいと思い、この地に戻ってきました。

ハルツームには、1年で大きな変化を遂げている部分もあります。1年前のここにはなく、今あるもの、例えばTirhal。以前、ロシナンテスブログでもご紹介した、最新のテクノロジーを生かしたタクシーの配車システムです。首都ハルツームでの暮らしは日々、快適さを増しています。

しかし、地方の暮らしはほとんど変わっていません。数時間かけて水汲みに行っても不衛生な水にしかアクセスできず、病気になっても移動可能な範囲に医療施設がなく何もできない。そんな状況が続いています。

着任挨拶をした日、ローカルスタッフのイスマットからメッセージがありました。
”One for all, all for One. This is the slogan of Rocinantes.”
ひとりでは微力なロシナンテですが、お互い支えあってロシナンテスになれば大きなことができるはず。わたしたちスーダン事務所のロシナンテスも、一人一人の持ち味を生かし、お互いに支え合いながら、スーダンの医療状況向上を目指して日々前に進んでいます。

最後に、ロシナンテスを支えて下さる皆さまおひとりおひとりにこの場をお借りし厚くお礼申し上げます。皆さまよりいただくご支援を少しもむだにすることなく届けるのがわたしたちのミッションです。行くぞ、ロシナンテス!

早速行ったフィールドで

 

スーダンの地方部で

 

行くぞ!

スタッフブログ2017.11.26

【渡邊 周介】スーダン駐在を終えて

こんにちは!スーダン事務所からこっそり日本に帰国していた渡邊です。
(10/20に日本に戻りました)
スーダン駐在は昨年の12月からの1年弱ですが、とても多くのことを学ばせてもらいました。

あらためて支援者の方々、仕事でお世話になった方々、そしてロシナンテス職員に感謝したいと思います。

今回、スーダン駐在を終えて、ということで記事を書かせてもらいます。題して、「スーダンで驚いた、心が動いたこと、ベスト3」です。

第三位 ハブーブ

ハブーブというのは正確には「砂混じりの強風」のことらしいですが、スーダンではすごく強い砂嵐が時たま来ます。
「ハブーブが来た!」と言います。
すごい迫力です。
砂と風が来るだけなので、基本的には家に入ればやり過ごせるのですが、ハブーブの後は掃除が大変です。

机にも床にも砂が降り積もります。

ハブーブだけでなく、スーダンでは自然の厳しさを感じることが多いです。
雨が全く降らない乾季の終わりの方にはハフィール(ため池)の水量が目に見えて減りますし、夏の暑さについてはかなり覚悟していたつもりでしたが日差しの強烈さにうんざりしました。
クーラーは偉大です。

迫りくるハブーブ

ハブーブの中


第二位 電気メーターが壊れていたこと

ある時から電気メーターの調子がおかしくなりました。
スーダンでは各家庭に電気メーターがあり、料金を払うと電気がチャージされるのですが、これがある時からものすごい勢いで減り始めました。お金を払っても、電気がすぐになくなってしまいます。
色んな人に相談し、色んなことを言われました。

①「これはきっと誰かが盗んでいる。」
②「下にある美容院が怪しい。ドライヤーとかで電気くうし。」
③「ビルを建てたときの手抜き工事のせいだ。」
④「そもそも大家が気に入らない。金にガメツイ。」
⑤「メーターが壊れているんじゃないか?」
⑥「電気会社が悪い。」
⑦「あいつらの料金はもとからボッタクリ。」
⑧「そもそも公共料金が全般的に高すぎる。」
⑨「全てスーダン政府が悪い。」

結局正しかったのは⑤で、新しいメーターをつけてもらって解決しました。
しかしこれが分かるまでに、いろいろな人に話を聞き、いろんな技師さんに来てもらい、「よくなった!」というぬか喜びを何回もして、結局解決するのに半年近くかかりました。
途上国だからこその手続きの煩雑さ、「普通のことを普通に聞いているつもりなのに期待している返答がない」という現実を実感しました。(ずっとお金もとられ続けてましたし…。)

スーダンではこの「手続きに時間がかかる」を随所で感じます。
仕事の関係で政府の許可を得たりするときも「なんで書類一枚その日のうち、せめてこの週中に書けないんだ」と思うことが多いです。
しかし、ここはやはりそういう国で働いているんだからと割り切るしかありません。

第一位 スーダン人の熱い思い

第二位がスーダンに対する文句になってしまいましたが、それでもやっぱり僕はスーダンのファンになってしまいました。

スーダン人の熱い思いに感動することが多かったからです。

特に、スーダン政府の人たちとはぎゃんぎゃんとさんざん喧嘩しましたが、結局みんないかに自分の国をよくするか、を考えていたように思います。

村に行くと、村人たちは「村をよくするためにこういう事業をしたい、そのために私たちができることはいくらでもする」と口々に言います。

そして何より、ロシナンテス、スーダン、日本の人々のためなら、と全力を尽くすロシナンテスのローカルスタッフに僕は何度も感動させられました。

色んなことを経験しましたが、結局僕はスーダンが大好きになって帰ってきました。

これからもスーダンのために自分ができることをしていきたいと思っています。

村の住民たちと

ロシナンテスのスーダン事務所メンバーと