特定非営利活動法人ロシナンテス

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コラム2020.03.22

水不足=電気不足?アフリカ・ザンビアの停電事情

水と切り離せない電気の話

こんにちは、インターンの甲谷です。

水は、人間が生活するうえでなくてはならないものです。その水の貴重さ・大切さを世界で見つめなおすために、1992年12月に開催された国連総会本会議において、毎年3月22日を「世界水の日」と定めました。国際デーのひとつです。

1年前の3月22日には、スーダンの水事情についてご紹介しました。今年は、アフリカ・ザンビアにおいて密接な関係にある、水と電気の事情についてご紹介します。

 

水資源豊かな国?

ザンビアの降水量は季節、地域によってかなり異なります。北部では比較的降雨が豊富で年間降水量は1,400mm程度と、東京と同じくらいの水準です。南部では降雨が少なく年間800mm程度となりますが、多いところで600mm、エジプトとの国境付近では25mm程度となるスーダンと比べると、かなり豊かと言えることがわかります。

実際ザンビアは南部アフリカの水資源の40%が集中していると言われていたくらい、水資源に恵まれている国でした。しかし近年、この水事情に変化が出てきています。

 

アフリカ・ザンビアの電気不足問題

水資源が豊かなザンビアでは、数多くのダムが存在し水力発電として活用されており、ザンビア国内の発電量の85%が水力発電で占められていることが特徴的です。

ジンバブエとの国境を流れるザンベジ川の中流に作られたカリバ・ダムが、そのうちのおよそ3割を供給しています。(このカリバ・ダムの建設にともない誕生したカリバ湖は、面積が琵琶湖の約8倍もあり、長さ220km、幅40km、面積5,580㎢と、世界でも有数の規模を誇る人造湖です。)カリバ・ダムに加え、同じくザンベジ川中流に位置するビクトリアの滝と、その支流であるカフエ川のダムを合わせた3か所が、ザンビア国内の発電量をカバーしているのです。

ビクトリアの滝(雨季)

ザンビアの雨は、雨季(11月~3月)に集中しており、乾季(4月~10月)では雨はほとんど降らなくなります。そのため、乾季になると計画停電が行われることもありました。しかし2015年以降、干ばつによるダムの水量の大幅な減少により、1日8時間を超えるような大幅な計画停電が増えてきています。

特に2018~19年にかけては、アフリカ南部の広い地域で1981年以降最少の降雨量を記録しました。ザンベジ川の水量は大幅に減り、過去25年間で最低の水準となったと報道されました。ロシナンテスの事務所は首都ルサカにありますが、乾季の終盤には計画停電と計画外の停電が毎日続きました。朝6時前後〜22時前後まではほぼ停電しており、電気のない生活が日常でした。昼間の停電、と聞くとそこまで生活に支障がないように思えるかもしれませんが、パソコンや携帯の充電ができない、wifiが使えないなど、仕事環境としてはかなり致命的です。また冷蔵庫や洗濯機など電化製品も使用できず、都市部にいながらキャンプのような生活になります。

ザンビア国内の電力のおよそ半分は、ザンビアの主要産業である鉱業によって使われます。そのため電力が不足すると突然の停電や電気の値上げが発生し、生産量が低下、国の経済にもマイナスの影響を与えています。

 

ザンビア政府は水力、太陽光、火力等の発電所を増設することを宣言しているものの、経済成長や人口増加による電力の需要は増え続けており、供給が追い付かない状態はしばらく続きそうです。