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コラム2021.05.21

日本人と似てる!?スーダン人の性格など、スーダンのあれこれ

皆さん、こんにちは!インターンの田村です。春から夏へとうつろいゆく季節、皆様お変わりございませんでしょうか。

せっかくのゴールデンウィークであったにもかかわらず、このご時世、なかなか遠出ができず、私のように旅行好きの方はうずうずされていたのではないでしょうか?

さて、本日5/21は、「対話と発展のための世界文化多様性デー」です。文化の保護と発展を目的として、国連により制定されました。異なる文化や宗教に触れることで、文化の多様性の価値をより深く理解する日としています。

「10年間で800万人、20世紀で1億3000万人*1」

これらの数値は何を表していると思いますか?

答えは、紛争で亡くなった方の数です。

国連のデータによると、世界の主要な紛争の約4分の3は、文化的側面が要因だそうです*2。尊敬の念をもって、自分たちの文化を守り伝えることはとても良いことです。ただ、尊重しようとすればするほど、異なる文化を排除したり、攻撃したりしてしまうのは、とても悲しいことです。

「Fear always springs from ignorance.(恐怖は常に無知から生まれる)」(Ralph Waldo Emerson, 19世紀米国の哲学者)という言葉があります。他の文化を理解していないがゆえに、それが台頭した際、自分の文化を危険から守ろうとする心理が働いた結果、攻撃してしまうのではないでしょうか?

私は、文化の多様性を認識することで、この不条理をなくすことができると考えています。

今日、文化イベントのキャンセル、コミュニティの文化的慣行の停止*2、異なるバックグラウンドを持つ人々への差別など、新型コロナによる文化への影響は、世界中で見受けられています。

機会が少なくなってしまった今だからこそ、多様な文化や宗教に触れる必要があるのではないでしょうか?閉ざされてしまった今、何十億もの人々が快適さ、幸福、つながりの源として文化に目を向けています*3。

平和と発展を求めて、お互いを知り、お互いを理解していきましょう!

ということで、約3か月に及ぶインターンシップを通して、職員の方からお伺いした、「スーダンの文化」についてご紹介します。

その1. スーダンは暑いってほんとう!?

アフリカにある国スーダンと聞いて、何をイメージしますか?

「暑そうだな」と思った方!大正解です!!

ある駐在員は、砂漠のど真ん中をバスで走行中、暑すぎてタイヤがパンクしてしまい、修理のため車外に放り出されてしまった経験があるそうです。「皮膚が出ているところが、痛いくらい暑かった」とおっしゃっていました。ちなみに、当時の気温は50度だったそうです!想像するだけでも、熱中症になりそうですね。

また、暑さゆえの弊害として、携帯のカメラでフラッシュ撮影ができなくなるそうです。どうしてかは分からないですが、携帯も人間と同じで暑さには勝てないのですね。

詳しい理由が分かる方がいらっしゃれば、教えてください!

さらに、スーダンでは夜も暑いため、外にベッドを置いて寝る人もいるそうです。

一応、部屋の中にもベッドはありますが、風通しが悪く、扇風機もあまり効かないらしいです。窓を大きくして風通しをよくすると、砂や紫外線が入ってしまうため、わざと窓を小さくしているそうですよ。

外で寝ると聞いた時、「キャンプみたいな感じかな」と思っていました。実際に写真を見せてもらうと、本当に屋外にベッドが並んでいて、すごく驚きました!

その2. 「シャイ」で「優しく」て「タフ」なスーダンの人々

駐在員にスーダンの方との交流話をお伺いしていく中で、彼らは「シャイ」で「優しく」て「タフ」であるということが見えてきました!

「遠慮がちに接してくる」「はにかんだ感じ」という風に、スーダンの方は、シャイな一面があるそうです。「アフリカ=民族音楽・ダンス=陽気」というテンプレートを持っていた私は、意外だなと思うと同時に、日本人みたいで親しみやすいという印象を受けました。

また、スーダンの方はとっても優しいです!現地で道に迷っている時、向こうから声をかけてくれるそうですよ。そして、どんどん人が集まってきて、みんな一生懸命に助けようとしてくれます。「右だよ」「左だよ」と、みんな言ってることが違うなんてこともあるそうですよ(笑)

それに、スーダンの方はタフだそうです。ある女性が、「(主食である)パンもない、燃料もない、電気もない、スーダンには何もかもないよ!*4」と笑いながら話していたという話を聞きました。過酷な状況下でも、笑い話にできる前向きさは尊敬しますし、私も彼女のような心持ちに変わりたいと思いました!

その3. スーダン流の「お・も・て・な・し」

スーダンでは、客人をもてなす際、飲み物を提供するそうです。そして、その飲み物がとっても甘いのです!カップの底には大量の砂糖が沈殿していて、飲み物を継ぎ足しながら、砂糖を溶かして飲むのがスーダン流らしいです。

甘いものには目がない私は、今晩早速、紅茶で作ってみようと思います!

また、スーダン流のおもてなしとして、家に遊びに来た人に昼寝をすすめるそうです。駐在員は、最初は「今来たばかりなのに寝るの?」と驚いていたようですが、今ではすっかりこの素敵なおもてなしに慣れたようです。

さらに、スーダンの方はとにかく優しいらしく、知り合って間もないのに、「ご飯食べていきなよ!」と食事に招待されるそうです。「知らない人からご飯に招かれることはよくある」と笑いながら話してくれました。彼らからすると外国人である私たちに対しても、壁を感じさせないくらい気さくに接してくださって、とても心が温まりますね。

その4. 名物料理は?スーダンのお食事事情

スーダンの料理ってどんな感じなのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか?

駐在員は、「見た感じ茶色!味はめちゃくちゃ美味しい!」と目を輝かせながらおっしゃっていました。

「ファッタ」は、豆とちぎったパンを混ぜたものにチーズ・トマト・玉葱などを加えたものです。「グラーサ」は、ソルガムという穀物で作った甘くないホットケーキのようなものです。家庭によりますが、トマトソースやオクラソースなどを付けて食べます。「キスラ」は、グラーサと同じソルバルが原料です。生地を発行させて、クレープのように薄く焼きます。発酵させているので、味は酸っぱいそうです。

また、スーダンは厳格なイスラム教の国なので、お酒は手に入りません。観光客が宿泊するようなホテルでさえ、お酒を置いてないそうです。夜になると、おじ様たちはコーヒー片手に3時間お話するするそうです。路上や駅前で酔いつぶれる人がいないなんて、なんとも平和な光景ですね。

いかがでしたか?

少しでも「スーダンって素敵な国だな」「いつかスーダンに行ってみたいな」と思っていただければ幸いです。

文化の多様性の価値を理解するために。無知から生まれる恐怖や誤解をなくすために。スーダンだけでなく、皆さまの慣れ親しんだ国・地域などの文化にも目を向けてみて下さい!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

【参考文献】

*1「World Day for Cultural Diversity for Dialogue and Development」(United Nations)

https://www.un.org/en/observances/cultural-diversity-day

*2,3「紛争後の経済復興と平和構築活動」(ジョナサン・ホートン, サフォーク大学)

https://www.jica.go.jp/jica-ri/IFIC_and_JBICI-Studies/jica-ri/publication/archives/jbic/report/paper/pdf/rp16_j04.pdf

*4 「物価は3-4倍に…それでも笑顔を忘れないスーダンの人々」(活動報告ブログ, ロシナンテス)

https://www.rocinantes.org/blog/life_and_culture/3977/