特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

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現地の文化生活2019.10.24

世界の台所探検家に聞く!スーダンの食事情

こんにちは、インターンの甲谷です。先日、岡根谷実里さんが東京事務所に遊びに来てくださり、色々と興味深いお話をお伺いすることができました。今日はそのことについてまとめたいと思います。

 

世界の台所探検家

岡根谷さんは世界各地へ行き、その地域の料理に関わることはもちろん、料理を通して人間関係や文化、宗教などを考察している「世界の台所探検家」で、その体験を記事にして世界に発信しています。クックパッド株式会社の社員でもあります。

以前岡根谷さんが書かれたスーダンの食事についての記事を読み、職員一同ぜひ一度お会いしたい!と思っていたところ、色々なご縁が重なり実現した会でした。

 

広がるパン食文化

岡根谷さんの記事にもあるように、スーダン都市部ではパンの需要はかなり高く、主食として生活にかかせないものとなっています。村落部ではまだまだキスラやアシーダといった伝統的な主食が主流な地域が多いですが、そうした地域にもじわじわと、パン食文化が広まりつつあります。

ビニールバックから次々と出てくるパン

岡根谷さんはそれを「発展の流れである」と言います。多くの国や地域で、芋・雑穀を主食とすることから始まり、経済が発展する中で小麦が台頭していくという流れがあるそうです。

大きな理由は、伝統的な主食づくりはどの地域でも、火をおこすことから始まり、こねたり焼いたり、とにかく時間がかかるということ。そのため、ある程度食事にお金を掛けられるようになると、手軽なパンの購入へと変わっていく傾向にあるそうです。もう一つの理由は、やはり小麦で作るパンがおいしいということ。

手間とおいしさの理由から、一度パン食を始めるとなかなか元には戻らなくなります。こうした観点から、将来的にはアフリカで小麦食が広がる可能性もある、という考察も述べられました。(日本の米食文化は、炊飯器で手間が大幅に縮小されたことで、他の主食に比べて大きく廃れなかったのではないか、という話も聞き、なるほどなと思いました。)

 


キスラやアシーダ、ユーグレナなど、私が知らない食べ物の単語が続々とでてきたことに驚きました。最終的にはアフリカの未来の食事についても言及され、とても興味深かったです。

1.ソルガム(たかきび):イネ科の穀物。いわゆる大豆・小麦と同じジャンルのもの

2.キスラ:ソルガムで作る大きなクレープ、スーダンの国民食である

3.アシーダ:ソルガムに酸味のある生地を混ぜ、お湯で練って作ったスーダンの伝統的料理

4.ユーグレナ:別名ミドリムシ、スーパーフードとして注目されている


国際協力への関心がきっかけで…

その地域の料理一つを見て、岡根谷さんはそこから様々な考察をします。現在約二か月に一回海外に行き、世界の台所を探検しているそうです。

「もともと国際協力に興味があり、大学では土木工学を学んでいました。その中で、途上国のインフラ開発の裏で人々の生活が犠牲になるという現実を目の当たりにする機会があり、幸せって何だろうと考えるように。その際、どんなにやり切れない日にも、どんな家庭にも等しく「ご飯を囲んで食べる幸せ」があることに気が付き、料理をすることで、どんな場所でも自分たちの幸せを作れるんだと強く感じました。それで、世界中で笑顔を生んでいる台所をもっともっと訪れたいと思うようになったんです。」と話してくださいました。

岡根谷さんがそう語る熱いまなざしが印象的でした。世界各国を飛び回り、膨大な知識を得てなお探求する姿勢には、料理で世界を笑顔にするという動機がありました。

これからも、私たちの知らない笑顔の台所を紹介してくれる岡根谷さんの活動が楽しみです!


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