特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

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※使用しない※川原ブログ2026.10.13

日本での対話を、スーダンの未来につなげて――訪日レポート(モハメド)

ロシナンテス設立20周年にあわせて、9月に来日したスーダン人スタッフの一人、モハメドが、日本での滞在を振り返るブログを寄せてくれました。ラビアのブログはこちら。

2026年9月、ロシナンテスの設立20周年を記念して、私たちは初めて日本を訪問しました。

福岡、長崎、熊本、東京、大阪、岡山を訪れ、講演会や大学での発表、支援者の皆さまとの懇談、地域や学校での交流など、さまざまな機会をいただきました。

今回の訪問で大切にしたのは、戦争が続くスーダンの現状を私たち自身の言葉で伝えること、そして長年ロシナンテスの活動を支えてくださった日本の皆さんと、これからの協力について考えることでした。

スーダンの現状を、私たち自身の言葉で伝える

2023年4月に始まった戦争は、スーダンの人々の暮らしを大きく変えました。

住まいや生計を失い、安全を求めて避難を余儀なくされた家族も数多くいます。保健医療や教育など、人々の生活を支える基礎的なサービスにも深刻な影響が及んでいます。

私たち現地職員もまた、戦争による避難やエジプトでの一時滞在を経験し、その後スーダンへ戻って人道支援活動を再開しました。

今回の訪問では、ロシナンテスの川原尚行理事長が、20年間の活動や戦争下で直面してきた課題について各地で講演しました。私たちも、戦争前のスーダンの社会や暮らし、戦争によって生じた変化、そして困難な状況の中で活動を続けてきた経験をお伝えしました。

統計や事業の説明だけでなく、実際に戦争を経験した私たち自身が話すことで、スーダンの人々が直面する困難や、平和と生活の回復を願いながら活動を続ける人々の姿を、日本の皆さんに伝えることができました。

講演会の様子

大学で考えた、これからの人道支援

今回の訪問では、長崎大学、熊本大学、九州大学、岡山大学を訪れ、医師や研究者、学生の皆さんと意見を交わす機会もありました。

各大学では、スーダンの人道状況やロシナンテスの活動に加え、困難な環境の中で医療や支援を届ける際の課題、国際的な人道支援の役割について話し合いました。

特に九州大学では、「プライマリ・ヘルス・ケアのデジタル化―母子保健モデル」をテーマに発表と討論が行われました。医療資源が限られ、受診が難しい地域で、デジタル技術をどのように母子保健や基礎的な医療サービスの改善に生かせるのか。エジプトからの留学生や日本の医師・研究者らとともに考えました。

九州大学での会議の様子

戦争による人道危機への対応はもちろん、その先にある復興や、保健医療サービスの改善に向けても、知識や技術を共有し、協力していくことが重要です。

大学での交流は、日本とスーダンの機関が今後どのような分野で協力できるのか、その可能性を考える貴重な機会となりました。

日本の支援者の皆さまとの対話を通じて

各地では、長年ロシナンテスを支えてくださっている皆さまと直接お会いすることができました。

特に東京では、支援者の方々と少人数で語り合うお茶会の機会があり、これまでの協力の歩みや、現在の人道支援が直面している難しさについてじっくり話し合うことができました。

また、日本の支援者の皆さまとスーダンの現地職員が連絡を取り合い、互いの状況を理解しながら協力を続けていくことの大切さについても意見を交わしました。

長年にわたって寄せられてきた日本からの支援と友情は、ロシナンテスが活動を続けるうえで大切な力となっています。今回、直接顔を合わせてお話しし、感謝を伝えることができたことは、私たちにとって大きな意味がありました。

文化を越えて生まれた交流

講演会や大学訪問に加え、日本の地域社会や日常生活に触れる機会もありました。

北九州では地域のウォーキング行事に参加し、幅広い世代の皆さんと交流しました。スーダンの文化や暮らしを紹介しながら、地域の方々と親しく接することができました。

6キロのチャリティウォークを無事完歩

また、小学校訪問では、子どもたちからスーダンでの暮らしや平和、人と人とのつながりについて、さまざまな質問が寄せられました。子どもたちが自分たちで作った記念品を贈ってくれたことも、温かな思い出です。

こうした交流を通じて、日本とスーダンの相互理解を深めることができました。人道支援や国際協力を考えるうえで、互いの文化や暮らしを知り、人と人とのつながりを育んでいくことも大切だと感じます。

20年間の歩みを、これからの協力へ

今回の日本訪問は、ロシナンテスの20年間を振り返るとともに、これからの活動について考える機会となりました。

戦争による喪失や避難の経験だけでなく、厳しい状況の中でも現地で活動を続ける人々の姿や、平和と生活の回復への願いを、日本の皆さんと共有することができました。また、大学では医療や人道支援について意見を交わし、支援者の皆さんとは長年の協力関係を改めて確かめることができました。

こうした対話や交流は、今後の人道支援や学術協力を考えていくための大切な土台になると考えています。

2026年9月1日から23日までの訪問を通じて、私たちを温かく迎え、講演や交流の機会を整えてくださった日本の支援者、大学、関係機関、地域の皆さんに、心から感謝申し上げます。

また、各地での講演と対話をリードしてくれた川原尚行理事長にも感謝いたします。

日本とスーダンの人々が20年間にわたり育んできた友情と連帯を、これからの支援と協力につなげていきたいと思います。