特定非営利活動法人ロシナンテス

活動報告ブログ

ロシナンテスからの活動情報をご案内します。

  1. HOME
  2. 活動報告ブログ
現地の文化生活2024.04.09

エジプトへ逃れたスーダン人スタッフの手記

ロシナンテスのスーダン人スタッフ5名のうち、エジプトに避難しているラビアとのタグワの手記をご紹介いたします。

2023年11月にエジプトに向かったタグワ

2023年4月15日、家族5人でハルツーム・バハリに住んでいた私たちは、テレビニュースやSNSに投稿される「家から出るな」という警告で目を覚ましました。国軍とRSF(準軍事組織:即応支援部隊)が衝突し、銃声が首都に響き渡り、私たちの家はRSFに包囲されていました。私たちは恐れおののき、恐怖のどん底に突き落とされました。生活は止まり、電気も水もなく、物価は上昇し、病院は閉鎖されました。

私たちは戦争の惨禍から逃れるため、エジプトに向かうことを決めましたが、道のりは険しいものでした。道中武装集団に遭遇し、脅されて他の乗客やバスの運転手とともに現金1500スーダンポンド以上が奪われました。2日後、私たちはエジプトとの国境に到着しましたが、入国手続きに7日間かかりました。通常、スーダン人の女性、子ども、50歳以上の男性は事前のビザなしでエジプトに入国できますが、期限切れのパスポートや緊急旅券では入国することができない決定がなされていたため、スーダン人全員に入国ビザの取得が義務づけられることになりました。私の家族はエジプトに渡ることができましたが、パスポートを持っていない私は、入国ビザを取得するまで北部の町で4カ月を過ごさねばなりませんでした。

今はエジプトにいて安全だと感じていますが、何年も続くかもしれないスーダンの厳しい状況や、仕事が安定しないことに悲しみが残ります。一日も早く戦争が終結し、元通りのスーダンでの日常が無事に戻ってくることを祈っています。

理事長の川原と事業担当のタグワ。エジプトで久しぶりの再会!

今年1月にエジプトへ出国したラビア

2023年4月15日、スーダンのハルツームで内戦が勃発したとき、私は子どもたちを安全な場所に連れていくことだけを考えていました。内戦が始まり子どもたちは学校に通えなくなりました。私は夫と2人の子どもたちとともに、エジプトへ北上する長い旅に出ました。

内戦勃発直後、私たちはハルツームの衝突地域に近い自宅で10日間ほど過ごした後、ハルツーム郊外に移動し、46日間家族(父、母、姉妹、姪)と過ごしました。その後、ハルツームの南210キロのところにある、私が生まれ育った町に移動しました。しかし、ここにはハルツームから逃れてきた人が多く、街は混雑し生活費も高くついたため、6月21日に、今度はハルツームから330キロほど離れたコスティへ移動し、7ヶ月間滞在しました。最終的に、私たちは子どもたちの将来、学校教育のことを考え、スーダンを離れてエジプトに行くことにしました。

エジプトへ北上する陸路の旅は2024年1月12日に始まりました。スーダン南部に位置するコスティからスーダン北部のハルファに向かうのに、まず3つの都市を経由しガダーレフに到着しました。約13時間かけてアトバラへ向かい、その後ハルファへ向かいました。途中、バスがパンクしてしまったので、ハルファに到着したのは2日後でした。ハルファで9日間過ごした後、エジプトに向かいました。国境沿いには大量の難民がいて、国境を越えるのに2時間ほど歩きました。バスとフェリーを使い、エジプト南部の最初の村アブシンブルに到着した後、7時間かけて南部の都市アスワンに到着しました。その後、約1千キロ離れたカイロへ向かいました。

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に難民として登録し、難民登録カードの取得を進めています。しかし、これは一時的なものなので、さらに滞在ビザを申請する必要があります。とても重要ななできごとは、息子たちを学校の生徒として登録ができたことです。

エジプトでラビア一家と再会!